【映画】海底47m/サメ、酸素、水圧。海の殺意高すぎ【ネタバレ:レビュー】

スリラー

深海ホラー映画、47 Meters Downをレビュー及び 評価、感想、解説。

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あらすじ

ケイト、リサの姉妹は休暇でメキシコの海辺のホテルに宿泊していた。

そこで出会った二人の男性と親しくなった彼女らは、「スリリングなスキューバをしよう」と誘われる。
それは格子で覆われたケージをウィンチで船から吊り下ろし、サメの姿を間近で眺めるという危険な遊びだった。


消極的なリサをケイトや男性らは励まし、彼女も渋々檻の中へ入ることを決断した。

実際にケージに入ってサメを眺めるのは非常にエキサイティングかつ神秘的で、彼女らは恐怖もありつつ、よくこれを堪能した。

海中のケージを見つめるホオジロザメ

しかしその時、ウィンチが滑りを起こし、ケーブルのセーフティロックが外れた。

金属の重みでケージは瞬間的に落下を始め、加速度に耐え切れずウィンチ自体も船の取り付け部からもぎ取られた。

気を失った彼女らが目を覚ますとそこは、巨大なサメのうろつく海底47m。

果たしてリサとケイトは、無事に陸へ戻ることが出来るのであろうか。

危機其の一:無線が届かない

海底のケージから抜け出すケイト

酸素マスクは無線の内蔵されているタイプで、船上の乗組員と通常であれば会話が可能だ。

しかしそれも近距離の場合のみであり、今回のような海底深くでは電波は届かないのだ。


当然、船のほうでも大騒ぎになっているはずなのでただ助けを待つのも手ではあるが、ケイトは果敢にも無線範囲内まで浮上して連絡を取ることを選んだ。

周囲にはサメが潜み、視界の利かない中ではいつ襲われるか分からない。
危険なチャレンジではあるが、現況を正しく伝えることと船上からの指示を受けるという狙いは理解出来た。

危機其の二:潜水病

潜水中のケイトに迫るホオジロザメ

「海底で死を待つくらいなら、意を決して全速力で浮上してしまえばいいじゃないか」

こう考えるようでは、死を免れない。


潜水病は恐ろしい。

ダイビング中に吸った空気に含まれる窒素量はおよそ8割。長時間水中に居れば居るほどこの窒素は血液中に溶け込む。
それら窒素は急激な圧力変化によって血液中で泡化反応を起こす。

血液中の窒素が気泡になると最悪の場合、動脈空気塞栓症を引き起こし肺胞破裂で死に至ったり、脳に深刻なダメージを受けて後遺症を背負うことになる。


作中で船上の乗組員はしきりに潜水病を心配しており、海の男たちの恐れる症状だということがよく伝わる。

例え恐怖を押し殺せても、血液中の化学反応は騙せないのだ。

危機其の三:酸素量

海底で酸素ボンベ交換を行うケイト

単純にタンク内の残圧が少ない。
特に今回のような危機的状況では呼吸ペースは早くなりがちであり、減っていく残量を目の当たりにすれば更に相乗効果でそれは加速する。


普段、陸で当たり前のように吸い込んでいる空気。
今となってはその恵みを、彼女らはとても有り難いものだったと感じているだろうか。

危機其の四:窒素酔い

酸素ボンベを照らすリサ

「船から追加のタンクを投下してもらって、あとは貝のようにじっと助けを待つ」

悪くない選択である。しかし忘れてはならない、窒素酔いの存在を。


通常、大気に含まれている窒素をいくら吸った所で中毒症状を起こしたりはしない。
もしそうであれば、アルコール会社は今ほど繁盛していないだろう。


問題はそれが圧縮されているということだ。
加圧された窒素は長時間、もしくは急激に吸い込むと酒酔いに似た症状を引き起こす。


窒素酔いそのもので死に至ることは殆どないものの、ひどい状態だと酸素マスクを外してしまったり、わけのわからない行動を取らせたりする。
こうした中毒症状で亡くなるダイバーも毎年一定数居り、船上の乗組員もそれを危惧している。


貝のようには振る舞えても、貝になることは出来ない。

ただ待つだけでも死を近づけてしまう、それが海底である。

危機其の五:サメ

大きな口を開け迫り来るホオジロザメ

最大の脅威はサメである。
事前にスキューバでサメを見る為に乗組員たちは血を含んだ撒き餌を行っており、獲物の香りに寄せられたサメがこの海域に留まっているのはごく自然なことだ。


サメは視覚こそ大して良くないものの、恐るべきはその嗅覚だ。
血液の他にも尿や便に対して大きく反応を見せ、50mプールに垂らした一滴の血を嗅ぎ分けると言われている。

少しの出血でも、サメにとってはおいしい食事の合図となるだろう。

蛇足:ホオジロザメは人間を食料とは思わないらしい

暗闇を照らした先に迫るホオジロザメ

作中登場のホオジロザメは、実際には人間を食料と考えることはないという。
意図して人間を捕食するのはイタチザメのみであり、ホオジロザメにはそうした考えがないようだ。


では何故ホオジロザメによる被害が世界中で起こるかと言えば、それはホオジロザメの視覚、眼球の仕組みにある。


前述したように視力の弱いホオジロザメは、遠目で見える人間の姿を好物のアザラシと見間違えるのだ。
豊富な脂肪と肉を持つアザラシは、サメにとっては大事な食事にあたる。

水面近くを泳ぐアザラシ(人間)を捕らえる常套手段として、海底深くからのボトムアタックが選ばれることが多い。
相手の視覚外から奇襲をかける戦法だ。


しかし急激な圧力変化によりサメの眼球は、ある一定の高さまで浮上すると、なんと裏返ってしまうのだ。
そうして裏返る眼球をものともせず、サメはある程度のアタリ・・・をつけて獲物へ喰らい付く。
これが人間がホオジロザメに襲われるからくりだと、専門家は話していた。


仮に眼球が裏返らなかったらば、寸前で人間だと気付いて引き返していくかもしれない。

評価

様々な制約と恐怖の中で、必死に生を掴み取ろうと画策する姉妹の闘いの行く末や如何に。

海、サメに恐怖を感じる方にはゾクッ、とする良作だったと感じる。

★★★★☆
四つ星の優良作。
海底47m(字幕版)
海底47m(字幕版)

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