【映画】ヒストリー・オブ・バイオレンス/史上最悪のベッドシーン【ネタバレ:レビュー】

アクション

過去の清算を懸けたクライムサスペンス映画、A History of Violenceをレビュー及び 評価、感想、解説。

スポンサーリンク

あらすじ

街で評判のダイナー店主、トム。
ある日彼の店にガラの悪い二人組の男が現れ、暴行を働こうと目論んだため、トムは咄嗟の判断で銃を奪って射殺した。

街は唐突なヒーローの出現に沸き立つ。誰もが彼を褒めたたえ、ダイナーは一躍人気店へ。

しばしの後、テレビニュースを見た怪しい装いの三人組がダイナーを訪れる。彼らはひと目で堅気の生業でなく、暴力を売りにしているような輩だと誰もが思った。
そしてその男たちはトムにこう言ったのだ。

「殺しのウデは衰えてねえな、ジョーイ」

OPとの乖離

モーテル前で高級車に乗り込む二人の男

冒頭で二人組の男が、モーテルを出立する。彼らのアンニュイでドライな、子供にすら容赦の無い殺しの達人ぶりに大いに期待感を持つかもしれない。

前情報を一切仕入れずに観た身からすると、このOPと後の内容の乖離で大きく期待を裏切られたと感じた。

このふたりはトムに瞬殺されるためだけの存在であり、仰々しく冒頭を飾るに相応しい配役ではない。圧倒的なサイコキラーぶりを見せつけておきながら、その後の扱いのぞんざいさに眩暈すらしそうなほどに。

本音をいうと、このふたりのフィラデルフィアからの節操のない殺人ツアーを映像化した方が断然面白かったのではないだろうかとさえ思った。それだけ強烈な登場であり、これを台無しにした罪は重い。

史上類を見ない性描写

寄り添う夫妻

これは悪い意味で用いている。

作中で二度ほどベッドシーンがあるのだが、これがストーリー上でまったく必要の無い尺を使用して描かれており、尚且つその悪趣味さに吐き気をおぼえるほどだ。

数秒のシーンチェンジで事後を匂わせるだけで充分にも関わらず、敢えてこれを映像として挟み、且つその趣味の悪さを全開にしたのは常軌を逸した行為だ。

白状すると、そのあまりの不気味さと正気を疑いたくなるようなシーンの尺に耐えかねて、レビュワーとしてあるまじき行為ではあるが、当該シーンをスキップさせてもらった。
これは特段、筆者が性描写の含まれた映画を苦手としているわけではない。むしろサイト運営の特性上、人より多くその手の作品に触れる機会は多いだろう。


この史上最低のベッドシーンの存在が、この映画の評価を二段階は落としていると言っても過言でない。
本作視聴の際は、充分に注意されたし。

トムの過去

ダイナーでコーヒーカップを持つジョーイ

この映画のコンセプトが理解し辛い。

単純な過去の清算を懸けた爽快アクション作品であるならばOPではジョーイの過去をフラッシュバック演出で挟むべきだし、ミステリアスな謎解きサスペンスを自負するならばトムはエンディングまで自身の呪われた過去を白状してはならない。

実際はなんとも中途半端な箇所で、それとなく漏らしてしまった自白でなんとなく過去が明らかになり、この夫婦は何をしているんだろう、と呆れてしまった。

表現したいジャンルがブレているからこれは起きる。煮詰めた構築が圧倒的に足りていない。

登場人物に知恵者不在

縁を切った兄と再会を果たすジョーイ

願った結果を得る為には最大限の努力が必要だ。それが凄腕の殺し屋の暗殺であれば尚更。

悪い意味での「なぜ?」「そこで?」「いま?」が重なれば重なるほど、登場人物の知性は疑われる。概ね全ての人物にこれが当てはまる本作では、どうにも頭の切れる知恵者は居なかったようだ。

それが裏社会で名を馳せた人物であろうとも。

評価

掃いて捨てるほど時間が有り余っている方にはお勧めだ。

★☆☆☆☆
一つ星。
ヒストリー・オブ・バイオレンス(字幕版)
ヒストリー・オブ・バイオレンス(字幕版)

コメント