【映画】ブルー・リベンジ/一方通行バッドエンド迂回路ナシ【ネタバレ:レビュー】

サスペンス

ある男と家族のクライムサスペンス映画、BLUE RUINをレビュー及び 評価、感想、解説。

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あらすじ

ドワイトには定職も定住の地も無い、いわゆるホームレスだ。

ある日彼の寝泊まりする古びたセダンに、警官が訪ねてくる。彼は訝しむが、用件は罪の追求でなく、ある種の警告だった。

「あの男が釈放される」

警官はそう言うと、彼の身の安全のために警察署にしばらく留まるように勧める。
ドワイトはこれを辞退すると、数年ぶりにカーバッテリーを接続し、エンジンに火を入れた。

あの男が、釈放される。

ドワイトの目の奥には、ホームレスだった頃には見られない、青い復讐の炎が宿っていた。

RUIN

女性警官から話を聞かされるドワイト

邦題のリベンジと原題のRUINでは意味合いがやや異なる。主に破滅や荒廃を指すRUINを軸に捉えると、全体がリベンジとは異なった印象に変わる。

青を基調としたオブジェクトがシーンの随所に散りばめられ、それに奇妙な違和感を覚えるだろう。これらは通常であればなんてことない日常風景なのだが、タイトルで強く協調されるが故、意識を割かれることになる。

だがそれらの根源にして元凶でもあるのは、やはりドワイトの乗るセダンだ。この古びたおんぼろ車に課せられたRUINの宿命こそが、見届けるべき終末を同時に意味している。

飾らない

悲観するドワイト

スタイリッシュな復讐劇でも、陰気に満ちた怨恨劇とも違う。ドワイトも含め本作に登場する人物には、正義のヒーローもサイコキラーも居ないのだ。

爽快感や気持ち良さとは無縁の、淡々とした救いの無いドラマが延々と描かれ続ける。抑揚の無さや盛り上がりに欠けるといえばそれまでだが、あくまでこの映画では青の破滅に翻弄される者たちを描くことにスポットライトを当てている。

ドワイトのキャラクター性は非常に良くこれらを反映している。為すべきことに立ち向かおうとする彼と、本当はそれを選びたくない彼。この二面性は常に選択肢の都度顔を現し、適切な演技力で表現されることになる。

彼の土壇場で煮え切らない態度や、計画性の足らなさや抜けている部分にやきもきするかもしれない。しかしそれは制作の狙った通りの効果を生んでいるということになる。
何故なら本作は、単純明快な復讐劇でないからだ。


また端役たちも皆、多くを語らずに心境を見せつける術に長けているのが分かる。演技指導と撮影技術の賜物だろう。

ゴア表現

腿に矢を受けるドワイト

激しくグロテスクな表現は無いが、一部で肉体損壊や痛々しい描写はあるので苦手な方は注意。

表現はリアリズムに富んでおり、傷跡やその処置における過程は共感性が高ければかなりゾクゾクする描写になっている。
ドワイト自身がとても弱々しく迂闊な存在であるため、物語が進むごとに彼の肉体も精神も何らかの傷を負っていくことは避けられない。

評価

哀愁と虚無感に満ちた、静かで空虚なストーリー。
多くの方に勧められる一作だった。

★★★☆☆
三ツ星の良作。
ブルー・リベンジ
ブルー・リベンジ

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