【映画】クラウン/人喰いピエロは子供の柔肉が好み【ネタバレ:レビュー】

ホラー

ピエロが繰り広げるダークホラー映画、CLOWNをレビュー及び 評価、感想、解説。

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あらすじ

息子ジャックの誕生日パーティにサプライズ演出でピエロを雇っていたケントだが、土壇場でキャンセルの一報が入った。

息子やその友人らを喜ばせる為に、偶然手に入れた古びた道化衣装を身にまとうケント。
パーティは大盛り上がりで幕を閉じ、皆が満足したことに彼自身も誇らしげに思っていた。


が、奇妙なことにピエロの衣装が脱げないことにケントは気が付く。
衣装につけ鼻、かつらさえも取れない。
古いものを直につけたため、湿気で貼りついてしまったと思ったケントは、とりあえず仕事場に向かうことにした。


だが彼の身に、想像もしない変化が訪れるとはこの時、想像すらしていなかった。

ケント

携帯電話で通話する素顔のケント

戸建て改築販売会社員。
担当した家屋の古びた箱から、奇妙な衣装を見つけてしまったことで彼の歯車は大きく狂い出した。


素顔の彼を見ることができるのは冒頭のわずかな時間のみであり、以降は少しずつ狂気の道化師へと成り変わってゆく。

メグ

夫のメイクを落とすメグ

ケントの妻。
怪物へと変貌していく夫を見捨てず、彼が元に戻るよう、あらゆる手を尽くすことになる。

彼女に存在なしには、ケントは身も心もすぐに破滅していただろう。

カールソン

慌てるカールソン

謎の老紳士。
彼の亡くなった兄が今回の事件を握る鍵のようだ。


ピエロの衣装について詳しく、その秘密を知ったケントは愕然とする。

薄気味の悪い変身を遂げるケント

フロントガラスに黒い液体を吐き出したケント

道化衣装の脱げないケントの身には、次々と変化が起きる。

異常な食欲をはじめ、気色の悪い吐瀉物が頻繁に喉奥から飛び出すのだ。
次第に抑えきれぬ欲求がどこへ向かうかは、自身で確かめてほしい。


この変身の過程は非常に不気味で不快に思うだろう。
はじめはまだ人間の面影を残したケントの姿に、町の人々も気味悪そうではあるが、それでもまだ悲鳴を上げるほどではなかった。

肉体の変貌が始まってからは更に悲惨だ。
道徳心や慈愛といった正の感情と、心行くまで柔らかい肉を喰らいたいという負の欲求。
彼を現世に繋ぎ止める父親としての心は段々と失われていき、魔の欲望に塗り潰される。


単純に薄気味の悪いモンスターがどこからともなく現れたというわけでなく、どこにでもいる家族思いの父が変貌するというシチュエーションの距離感がキモだ。

妻の愛

モールにケントを探しにきたメグ

まったく意外だったのが、この作品が化け物と化したケントを警察や特殊部隊が銃撃したり、エクソシストが聖水をぶっかけて呪文を唱える作品ではなかったということだ。

ひたすらに妻のメグが、夫が禁断の果実をかじったことを知りながらも、健気に彼を人間に戻そうと奔走する一風変わったホラーだったのだ。


かつて、主人が怪物へと変貌した哀れな未亡人役の中でも、こんなにも献身的な女性を見ることはそうそうない。
だからこそ彼女の奮闘ぶりはとても珍しいものに映った。

ゴア表現

テレビに叩きつけられた肉と、倒れるいじめっ子

要所で肉体の損壊表現が見られる。
頻度はそれほど頻繁ではないにせよ、対象が年若い子供であるので、苦手な方には充分な注意が必要だ。


殺害シーンは直写を用いずに間接表現で描写するのがとても上手く、想像力を掻き立てられるぶん、逆にグロテスクに感じた。

目立ったCGもなく、コアなファンも納得の仕様。

演出

隙間から覗き見るクラウン

パニックホラーらしく、古典的なビックリドッキリが基本。緩急を用いてSEと叫びで観客を驚かせる手法だ。
シチュエーションで展開が簡単に読めてしまうのは少し残念であった。


ここに関しては賛否あると思うが、作品の性質上ある程度仕方のない部分だとは思う。
和風ホラーのようなじわじわ恐怖を求めるのは酷だろう。


特筆すべきはピエロメイクの恐ろしさにある。
各演出の恐怖度を底上げするに充分な仕上がりで、完全に変身を遂げてからのケントはとんでもなく怖い

道化恐怖症の方はそもそもこの映画を見ていないと思うが、もしそうであるならばトラウマの増進が不安視されるかもしれない。

評価

最後まで見終わってからOPを見直すと、子供たちの嬌声もあいまって気味が悪い。

人喰いパニックホラー作品好きならば、出来映えに後悔するような作品ではない。是非ご覧になることをお勧めする。

★★★★☆
四つ星の優良作。
クラウン(字幕版)
クラウン(字幕版)

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