【映画】死霊館/最恐実話の登場幽霊を怯えながら考察【考察あり:ネタバレ注意】

ホラー

ウォーレン夫妻の体験した実話ベースのホラー映画、The CONJURINGをレビュー及び 評価、感想、解説、考察。

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あらすじ

ゴーストハンターとして数々の怪奇事件に取り組んで来たエド、ロレイン夫妻。
「アナベル事件」で名を馳せた彼らの元に、新たな助けを求める声が届いたのだ。


ロジャーら七人家族は郊外の一戸建てを購入した。湖畔を一望できる素敵な佇まいの家屋だったが、異変は初日から起こった。
飼い犬が不審死を遂げ、家中の時計が「03:07」で止まっているのだ。

奇妙なことは続く。娘シンディの夢遊病、妻キャロリンの身体中に浮かんだ痣、夜間に訪れる何者かの気配。

すっかり疲弊した家族は、エドたちに助けを求めた。
そこで彼ら夫妻が遭遇した怪異は、今までに体験した何よりも恐ろしいものであったのだ……。

序盤から引き込まれる

真っ暗な地下室にマッチ一本で入る場面

ホラーに於いて、くだらない前置きや冗長な人物紹介は不要だ。本作ではその辺りを意識されており、エド夫妻や問題の家のあらましを手早く10分程でまとめている。
このスピーディーに恐怖展開へ移行する構成には非常に好感が持てた。

多くの作品では、薄く引き伸ばして味の無くなったガムを延々30分以上噛ませるものだが、死霊館では次々に違う味のガムを提供してくれる。
矢継ぎ早に繰り出される色違いのチューイングガムは、我々を没頭させるのに十分な役割を果たした。

アナベルの話ではない

廊下に座るアナベル人形

注意点としては、ジャケットにも写っている世界一有名な呪い人形「アナベル」だが、今作はそれをモチーフにした物語ではない。
プロローグで前日譚として触れられるものの、基本的には死霊館との関わりは薄い。

アナベルについて知りたい方は、別作品で扱われているのでそちらを見る方が良さそうだ。

根源的恐怖

暗闇に潜む何者かの気配

人間は闇を本能的に恐れる。これは自衛のために必要な生理反応であり、至極当然の特性である。

本作では暗闇へのフォーカスが光っている。特に上記シーンでは、なんとなく見えないような見えるような、何とも判然としないそのさまが、逆に恐怖を煽ってくる。

幽霊の 正体見たり 枯れ尾花



有名な至言だが、逆説的に成立しないとは限らない。

貴方が見ているのは本当に、枯れた尾花なのか?そもそもそこに、尾花はあったのか?

隠し部屋

物件の隠し部屋に落ちた母

中古物件の怪しげな隠し部屋ほど怖いものはない。

日本国内でも事故物件で奇妙な開かずの間があったり、古い古民家の隠し戸の裏におかしな空間が現れる怪談はいくつもある。
こうした封印の奥には大抵良からぬ過去が纏わりついており、それらを開放したことで災いが降りかかるケースは非常に多い。


死霊館でも同じく隠し部屋は存在しており、その不気味さは何とも言えない。

想像して欲しい。過去におぞましい殺人の起きた曰く付き物件で、突如暴力的な超常現象にて怪奇渦巻く血塗られた部屋へと押し込まれるさまを。

エドやロレインのような経験ある者でなければ、いい大人が卒倒しても不思議でない恐怖に違いない。

布越しに血を吐く悪霊

印象的なクライマックスであるこの場面だが、これは布越しに魔女を映す、間接的表現だ。
この表現法は我々に想像力という楔でもって、各々に予想以上の恐怖を植え付ける。

人は見えない部分にこそ思いを馳せる。見えている99%よりも、見えていない1%の方を強く意識する習性があるのだ。

想像力は容易に化け物を生み出す。非常にシーンにマッチした、上手いやり口だったと感じる。

評価

一級ホラー。コアなユーザーを自称するならば、必見の一作である。
実話ベースであるにも関わらず、素晴らしくまとまった作品だった。

★★★★★
文句無しの満点。
Amazon.co.jp: 死霊館(字幕版)を観る | Prime Video
40年もの間、関係者全員が口を閉ざし続けた戦慄の<実話> Rating PG12 (C) 2013 Warner Bros. Entertainment Inc. All rights reserved.




以下、考察及びネタバレ注意。






数種の幽霊たち

作中には何体かの、魔女とは異なる霊が現れた。
彼らについて解説してみよう。

メイドの霊

ランドリールームに立つメイドの霊

ブラッドの前に現れたメイド服の霊魂。

彼女には敵意は無く、魔女に殺された恨みを伝えるために現れたと思われる。

手首の傷跡は、魔女に自害を要求されたのだろう。

地下室の霊

地下室ですすり泣く大柄な幽霊

包丁を手にした母親らしき霊魂。

彼女もまた魔女に憑りつかれ、息子を殺害することを強要された。
その後何らかの理由で自らも命を失ったようである。

ロレインに警告を与えるため現れた。やはり彼女自身に害意は無いようだ。

ローリーの霊

オルゴールの鏡越しにだけ見える少年の幽霊

オルゴールの鏡面越しに現れる霊魂。

地下室に現れた母親の霊の息子であり、その手によって絶命した。

年の近いエイプリルのイマジナリーフレンドになると共に、魔女=憑りつかれたキャロリンから守ろうとしており、ラストシーンで彼女が床下に隠されたのはローリーの力に寄るものであると推察される。

バスシーバ

クローゼットの上に潜むバスシーバ

生前は悪魔崇拝者の魔女、死後は完全なる悪魔へと。

彼女の影響下にある他の霊は凶暴化し、現世へ縛り付けられていると考えられる。

しかしそもそも彼女の行動の目的はなんだったのだろう。
実の子を殺害したのは自らの意思であり、親類をセイラム魔女裁判で失ったのは此度の事件との大きな関わりも見えない。

であるとするならば、彼女が悪魔崇拝者であったことがヒントになるだろう。


聖書で語られている広義で言う、悪魔の目的とは、

悪魔の目的はただ一つ、人間に「神はいない」と信じ込ませることだからです。悪魔は人に近づき、そっと耳元でささやくのです「神なんていない!」と。


人々を絶望させ、恐怖に陥れ、最後には命を奪う。
現世で行われるありとあらゆる非道を尽くすことで、神の不在を世に示すことだ。

天に唾する者が多いほど、悪魔の現世における支配力は強まる。
バスシーバもまた、悪魔としての理念に従って行動していたと考えるのが妥当だろう。

世に混沌と悪意を撒き散らす為


やや話が拡大したが、概ねこういった目的を持った悪霊であったと思われる。

終わりに

宗教色はかなり弱く描かれていたが、現実にはヴァチカンや教会を巻き込んだ大きな騒動であったことが窺えるだろう。

ウォーレン夫妻の素晴らしい活躍に敬意を表したい。

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