【映画】パニッシュメント 呪いの木/魔女×9人の怨霊×ペスト【ネタバレ:レビュー】

ホラー

呪いの木から始まる恐怖を描くホラー映画、Curse of the witching treeをレビュー及び評価、感想、解説。

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あらすじ

築800年、古くからそびえるセントジョナス農場。
アンバーら家族はこの土地を購入し、新たな生活を始めることにした。
しかし農場には昔から奇妙な噂がまことしやかに囁かれており、近隣の住民からは奇異の目で見られることになった。

ふとした折に、息子のジェイクはおかしな木の幹を触れてしまう。その日から彼の周囲でおぞましい何者かの影がつきまとい始め、また同時にペストのような症状を発症する。
次第にその影は長女エマの身にも襲い掛かり、一家は徐々に追い詰められていく。

ネタバレ概略

ネタバレストーリー
  • 1.
    引っ越し
    セントジョナス農場を購入した一家。昏睡状態の父トニーの望みであるこれを叶えた彼らだったが、この農場には忌まわしい噂がまことしやかに囁かれている。
    息子のジェイクは裏手に生える「呪いの木」に触れてしまい、そこから奇妙なものを見るようになっていった。
  • 2.
    交霊
    ジェイクの同級生らが農場を訪れ、ウィジャボードで噂となった霊との交信を試みる。
    彼らは家を荒らして物を盗んだ挙句、小部屋にジェイクを縛り付けて放置するという度が過ぎた悪戯を仕掛けた。
  • 3.
    怪異
    家の中で起こる怪奇現象は頻度を増し、ジェイクとエマは四六時中これに怯えることとなる。ジェイクはペストのような症状を発症し、このままでは長くないことを宣告される。
    やがて神父に相談したことで、農場で殺された9人の子供と魔女の存在が明らかになる。
  • 4.
    術師
    エマは心霊術を生業にしている姉妹を農場に呼び、事態の解決を求める。
    そして遂に、魔女イゾベルの悪霊を呼び出すことに成功した。
  • 5.
    決着
    術師に憑依したイゾベルは、全員を葬ろうとおぞましい力を振るう。
    そこへ病床のトニーが霊体となって現れ、9人の子供たちと共にイゾベルを倒すためジェイクに力を貸す。
    ジェイクはイゾベルを刺し殺し、平和な日常が戻った。
  • 6.
    憑依されて犠牲となったエヴァ、及び力を使い果たして逝去したトニーと、交霊によって会話を試みる家族。幸福な時間が流れる。
    だが全ては終わっていなかった。イゾベルは再び現れると、生き残りの者たちを皆殺しにする。

恐怖度

暗闇から伸びる九人の手

序盤の雰囲気づくりには成功している。

魔女の伝説×ペストの過去×気味の悪い農場

お膳立てが済んで、ちらほらと不気味なカットも挟まれ始める。頭陀袋を被った謎の男などは、遠景でもそこそこの気味悪さを醸し出しているだろう。

前菜が済んで、「さあ、ここからどう見せてくれる?」と思う。

思い、思い続け、そしていつしか。
気付けば映画は終わっている。



メインの手法としては、大音量SEによるビックリ演出。このやり方の是非については今さら言及するつもりはないが、それにしても音響頼みの場面が多すぎる。

酷いとBGMなのかSEなのか、それとも作中で実際に鳴っている音なのかが分からないのだ。
そのため突然キャラクターたちがキョロキョロと辺りを見渡し出し、何だか怯えていることもある。


また目玉でもある最終局面では、ある意味驚嘆するほど写り映えのしないカットで終わる。
やる気すらも疑いたくなるそれは、お遊戯会レベルとこき下ろされても不思議でない。

序盤で力尽きるタイプの、先行逃げ切れていない型ホラー映画である。

父親の存在

昏睡状態のトニー

パニッシュメントという邦題が付いているが、それはこの父親トニーを作品に登場させた脚本家にこそ、最も相応しい単語だろう。

トニーは長い昏睡を続けるエマとジェイクの父親であり、もはや快復の望みなく、安楽死を待つ状態だ。
彼の望みで農場を買ったという一応の設定ではあるが、そもそもその存在理由が透けて見えるのが不愉快な部分の最たるものである。

安っぽい絆ドラマのための犠牲



何をどうひっくり返してもトニーの存在した理由はこれ以外なく、ホラーに親和性の高い家族愛を描くための捨て石だ。
彼は事件の背景や進行に一切関わらず、クライマックスシーンのそれっぽい場面でふらっ、と幽体離脱を見せ、子供らを救う。

実に分かりやすく、チープな仕掛けであった。


またラストでの交霊会ごっこではこれまた感情の押し売りが激しく、「さあここで泣け!」という制作の下卑た笑みが見えるようだ。
不愉快以外の何物でもない。

母親の存在

激昂するアンバー

とにかく声が大きく攻撃的で、ヒステリック極まりない母アンバー。彼女の存在は視聴の上で我々に、多大なる苛立ちと嘆息をもたらすだろう。

驚くべきことに彼女は、作品の90%が進行した段階でも霊現象を認知しない。それどころか娘や霊媒師に食って掛かり、また声を荒げては怒鳴り散らす。

これは逆に稀有な例だろう。大体の作品では序盤で心霊懐疑派の者も、中盤以降はそれを改めることが多い。

だがこれは決して作品にとって有利な方向へ働いてはいない。それどころか、彼女の早期退場を願わずにはいられないほどである。

とにかく話が入ってこない

暗闇での交霊会
ホラー映画が好きで、真面目に視聴している

こういう前提があっても、何故か本作は絶望的に話が頭に入ってこない。

よそ見せず、真摯に向き合い、しっかりとシーンを追う。
しかしやはり、数秒前に交わされた会話すらも、なんとなく霞のように消えてしまう。

これは説明不能の現象であり、幾度かの巻き戻しを経て、ふと筆者はある結論に辿り着いた。

もしやこれこそが、魔女イザベラのかけた呪いなのではないだろうか?


だとすれば本作は案外、真に恐ろしいホラーとして認知されるべきなのかもしれない。

評価

安眠用ホラー映画



不眠症で悩んでいる方にはオススメかもしれない。

★☆☆☆☆
一つ星。
Amazon.co.jp: パニッシュメント 呪いの木(字幕版)を観る | Prime Video
築800年の農場に越してきた1組の家族。大学生のエマは母をサポートしつつも、彼氏に難癖をつける態度に次第と心が遠ざかり、弟ジェイクは不良たちの標的にされていた。彼らから逃げる途中、森の大木に身を潜めるようになったジェイクはその日を境に、数々の異様な行動をとるようになり...。

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