【映画】戦慄病棟/やや怖、やや笑。病院感ある?【ネタバレ:レビュー】

ホラー

悪夢の逃走劇を描いたホラー映画、EXETERをレビュー及び 評価、感想、解説。

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あらすじ

パトリックら七人の若者は、改築中の病棟でパーティの余興として降霊術を行った。
バカげた遊びと思っていた彼らだが、霊を降ろした対象のロリーは突如暴れ出し、狂ったような表情を見せる。

この事態に「本当に悪霊が降りてしまった」と理解したパトリックは、育ての親であるコンウェイ神父に連絡。彼はすぐに病棟へ駆けつけるが、パニックになったブラッドはなんと、神父を車で轢き殺してしまう。

迂闊に助けを求めれば懲役は免れない。保身と悪霊の板挟みになった彼らは、なんとか自分たちでロリーに憑りついた悪霊を除霊しようと試みるが……。

ベースは固い

事故で倒れ込む神父

パニック、バイオレンス、そしてちょっぴりセクシー。
13日の金曜日を思わせる、ホラーに必要な要素をきちんと揃えた本作。

あらすじで記したあたりまでの、あまりの荒唐無稽でバカバカしい展開に、思わず笑いがこみ上げるかもしれない。実際、神父の死に様は完全に狙いにいっていると思う。

だが案外ホラーとしての出来は悪くない。もちろん一級作品と比べれば見劣りもするが、そこは一歩引いたスタンスで楽しもう。

何だか分かるようでさっぱり分からないエビデンスを拾い集めながら、少しずつ真相が明らかになっていく。その合間で襲い来る悪霊の脅威に、彼らは少しずつ命を散らしていくだろう。

しっかりと定番ホラーの要素を踏襲した構成で、また明度にも気を使ったつくりで暗すぎないシーン描写が嬉しい。
おまけでラストにはちょっとした驚きも含まれていて、思ったよりもちゃんと「映画している」作品なことに気付くだろう。

デヴォン

過去のビデオで異能力を見せつけるデヴォン

かつて病棟に居たデヴォンという患者が、本作の敵役になる。

タイプで言うところの、「憑依型」であり、肉体を持った人間に憑りついて凶行を働くパターンだ。実体を持ったクリーチャーではないので、奇怪なモンスターを期待する方には残念なお知らせになる。

ゴア表現

泡スプレーを浴びるデヴォン

本作でのグロテスク表現は、かなりマイルドな部類に抑えられている。直接的に四肢や胴体の破損を生々しく映す場面はほぼ存在せず、苦手な方でも見やすいように仕上げてきている。

一部で一見、痛々しそうな場面も見えるが、

転んだ拍子にショットガンが暴発
両目に歯ブラシを刺す
転んだ拍子につるはしが刺さる


といったもので、どこか漂うユニークさが笑いを誘う。

だがそういった笑えそうな部分でも、登場人物たちの生きる為に必死を尽くした結果であり、決して彼らの中に笑いはこみ上げない。
そうした真摯さと可笑しさのバランス調整が素晴らしいと感じた。

頭は切れない

捨てられたスマートフォン

多くのホラー作品では登場人物たちの、その頭の回転の悪さにやきもきさせられる。
中にはそれで命を落としたり、脱出路を失ったり、仲間を壊滅させたりもする。

本作でも頭の回転が素早い人物は皆無なのだが、しかし不思議とイライラ感は感じないことに気付くだろう。

これは共感性を失っていることに起因するのだが、もうそんな小難しいことは抜きにして、デヴォンの霊力、或いは間抜けな己自身の手によって片っ端から死に絶えていく愉快な仲間たちを眺めるのが正しい作法だ。


誰も生き残らなくてもいい。そんな風に思わせてくれた映画はなかなか今まで出会わなかった。

評価

一応の注意点は、戦慄病棟と銘打っているが、内部の構造が少しも病棟感が無いこと。ホスピタルホラーを期待するのはやめておこう。

バカバカしいホラーが好きな方にはお勧めの作品だ。

★★★☆☆
三ツ星の良作。
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10年以上も放置された人気のない廃墟。そこは知的障害や精神異常の子供たちを治療するため建てられた施設で、かつて虐待や悪魔払いの人体実験などを繰り返し、大勢の子供が亡くなっていた。(c) 2014 backmask, llc. all rights reserved.

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