【ドラマ】フォー・オール・マンカインド/1-2【ネタバレ:レビュー】

SF

Apple TV+より配信中のドラマ、For All Mankindシーズン1エピソード2をレビュー及び 評価、感想、解説。

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あらすじ

ソ連に続き、二番手で月面に着陸を果たしたアポロ11号。
ニール、バズ、マイクは英雄として国民らに迎えられることになった。

一方で苦しい立場に立たされたエドは、公聴会にてフォン・ブラウン博士を糾弾するように頼まれるが……。

ネタバレ概要

ネタバレストーリー1-2
  • 1.
    帰還
    月面着陸を成功させたイーグル号。コロンビアとのドッキングを経て、無事に三人は地球上へ帰還を果たす。
  • 2.
    基地
    NASA長官は、ソ連が月面基地を建設する計画を立てている情報を入手。
    ただちに対策として、ブラウン博士とディークは次期アポロ12号にて、アメリカのベースを建設する予定を求められる。
  • 3.
    面談
    飛行管制主任のジーンによる面接を受けるマーゴ。合格すれば、晴れて夢だった管制官となることが出来る。
  • 4.
    NASAで掃除夫として職を得たオクタビオ。
    彼は一人娘のアレイダが、メキシコからの密入国以来、異常に”火”への執着心を持っていることに気付く。
  • 5.
    不義
    宇宙飛行士ゴードーの妻トレイシーは、夫の浮気に気付く。
    突発的に離婚を切り出そうとした彼女だったが、カレンは今後の見通しなどを冷静に諭し、耐えることも必要だと言い聞かせた。
  • 6.
    合格
    面接の末、マーゴは見事に女性初の管制官となる。
  • 7.
    差異
    エドは自宅で行ったアポロ11号の飛行士らを労うパーティで、ニールと話すことに。
    月面を前に引き返したエドと、危険を省みずに着陸を果たしたニール。
  • 8.
    依頼
    下院議員のサンドマンがエドを訪問する。
    彼は公聴会の場で、雑誌に語った心情は事実であり、そこでフォン・ブラウンを批判してほしい、と頼み込んだ。
  • 9.
    公聴会
    公聴会でサンドマンはエドに、「10号の未着陸という結果はブラウン博士が招いたものか?」と問うた。
    しかしエドは、全ては現場で船長を務めた自分の責任だった、と告げた。
  • 10.
    辞職
    バーでゴードーに詰め寄られるエド。
    しかしエドはすでにNASAを辞職し、海軍に戻った、と彼に言った。
  • 11.
    公聴会で答弁を求められるブラウン博士。
    サンドマンは隠し手として、彼がナチス時代に作成を指揮したV2ロケットのことを持ち出した。
  • 12.
    敗北
    当初は有利だったブラウン博士だが、犠牲となったロンドン市民やドイツの工場で強制労働を受けていた人々、更にはヒトラーとの記念写真によって敗色が濃くなりつつあった。
  • 13.
    代価
    幼少より家族ぐるみの付き合いをしていたマーゴは、彼に公聴会の証拠は事実か問うた。
    彼は「科学には代価が必要だ」と言った。
  • 14.
    弾劾
    アポロ12号が打ち上げを開始する。
    だが管制室にはブラウン博士の姿は無い。彼はニクソンの企みによって、遂にNASAを追放されたのだ。
  • 15.
    復帰
    NASAを辞職したエドをディークが訪ねる。彼はブラウン博士の消えたNASAに、再びエドの力が必要だと言った。
    こうしてエドは、再び15号のクルーとして迎え入れられることになった。
  • 16.
    女性
    アポロ12号打ち上げの途中で、ソ連からの生中継映像が入る。
    そこには月面に降り立った、女性初の飛行士の姿があったのだ。

糾弾されるフォン・ブラウン

喜ぶフォン・ブラウン博士

1-2のテーマはフォン・ブラウン博士の進退。
彼はニクソン大統領に刃向かったことで、ソ連に先手を打たれたことの責任を追及された。

しかし国民には人気の男であるため、容易には罷免など出来ない。
また実績も確かで、NASA職員からの人望も篤い。
エドは立場的に彼と対立することになってしまったものの、それでも公聴会で彼を非難することはなかった。


史実では1972年にNASAとの方針のすれ違いを感じ、自ら辞職したフォン・ブラウン。
だが本作での彼の進退は、極めて悲惨で屈辱的なものになってしまった。

ナチスだったのか?

彼の出自については諸説あるものの、進んで自ら大量殺戮兵器を設計していたわけではなかった、という見方が強い。
当時のドイツで多くの予算を勝ち取るにはヒトラーの庇護下に居ることは必須であり、ある意味では至極自然な流れだったのかもしれない。


作中では科学実験のために強制労働を強いて、またロンドンに死の雨を降らせた悪魔として公聴会で糾弾を受ける。
しかし当初は宇宙へ向けたロケットを作成していたブラウン博士は、その功績を軍事に奪われたと言う。

この部分も現実に即した面が多く、実際に彼はドイツの秘密警察に逮捕されている。
容疑は「戦時下における個人的野望を危険思想と捉えられ、国家反逆罪と見なされる」というものだ。

彼を恩赦にて釈放したのは、ヒトラー自身だったという。


いずれにしろ彼は、生来の宇宙バカでロケット好きだっただけなのだろう。
しかし本作の彼は、忌み嫌った軍事によって全てを奪われることになった。なんという皮肉だろうか。

ジェンダー平等に切り込みそうな展開

喜ぶマーゴ

1-2ラストで現れた、ソ連の女性宇宙飛行士。
彼女は空軍のパイロットで、32歳という若きエースとして月面を踏みしめる。

これは当時の時代背景からは、かなり異色の采配となる。
ソ連の思惑がどのようなものかは今後の展開次第だが、ニクソンがこれに対抗しないはずがない。

これにより1-1から登場していたアレイダや、管制官入りを果たしたマーゴがどういった運命を辿るかが見ものになってきた。
ここまではいささか愚鈍な暗君として描かれたニクソンだけに、順風満帆な手腕とはいかないことは明白だろう。

この当時、アメリカ女性は差別対象だった

現代では欧州を筆頭に、米国や中東諸国でも女性差別の撤廃運動が盛んになっている。

だがこの当時のアメリカ(1970年付近)では、女性の権力は今ほど強いものではなかった。


ジーンとの面談でマーゴが触れられたように、「家庭に入る」「子供を産む」などのイメージは色濃く根付いており、そこに齟齬がある点をワンカットで描いている。

結果的に彼女は管制官入りを果たしたから良かったものの、当時、性別というだけの理由で仕事を諦めた女性は多かっただろう。


ソ連が打ち出した、女性飛行士の月面着陸というパフォーマンス。これによってその後の時代が大きく変わる予感をはらませている。
もしかすると本作の未来では、男性が弱い生き物として差別される時代が到来するのかもしれない。

SF感消失

宇宙行きのスペースシャトル

1-1で受け取った印象通り、やはり宇宙探査などの要素はメインでない。
あくまで主軸は現実との差異を見出すifストーリーであり、時代そのものという大きなタスクを見守ることが求められる。
純粋無垢な宇宙ファンならば、ここで視聴を切るべきだろう。


しかしストーリー自体は、個人的に面白くなってきた。

現実では果たされていない月面基地の建設競争と、女性飛行士の登用。アメリカとソ連のチキンレースはどんどん加速していく。
月面における領土主張や、治外法権の扱いなど、月面上で行われる冷戦の代替戦争。
もしかすると、血なまぐさい展開にも期待できるのだろうか?


また地上ではニクソンとケネディの争いも激化。
ウォーターゲートと暗殺事件。これらをどう脚色していくかで、かなり面白味のある展望が見込めそうな予感がする。


今後に期待。

総評

月面レースよりも、ニクソン.vsケネディが気になる今日この頃



故人同士のセカンドタイトルマッチ。
割と燃える。

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1-3は以下から。

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