【映画】グリーン・インフェルノ/オレ、オマエ、クウ。【ネタバレ:レビュー】

ホラー

ショッキングホラー/スプラッター映画のThe Green Infernoをレビュー及び評価、感想、解説。

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あらすじ

南米未開部族の権利主張のために国境を渡ったアメリカの大学生である、ジャスティンたち。
彼らの乗る小型機は運悪く墜落し、更に悪いことにその周辺部族である「ヤハ族」に捕らわる。

ヤハ族は彼らを檻に閉じ込めると、仲間のひとりジョナを強引に仰々しい台座に寝かせる。
ジャスティンらに不穏な空気と緊張がはしる。
それも束の間、ジョナが生きたまま眼球を喰われ、全身を丸焼きにされてほお張る様を見て彼らは確信する。

ヤハ族はカニバリズム(食人風習)を現代でも残し続けた、おぞましい恐怖の部族であるということに。

ネタバレ概略

ネタバレストーリー
  • 1.
    保護運動
    アマゾンの環境保護を訴えるアメリカの大学生グループ=ACT。彼らは開発の進む南米に渡航し、自らを盾とした抗議活動を行おうと計画した。
  • 2.
    撮影
    ペルーへ飛んだ一同は、伐採作業員に扮して作業現場へ潜り込む。
    彼らは自分を南京錠と鎖で近場の木や重機に巻きつけると、スマホの録画をし続けた。
    強引な手段に出られないよう、相手を牽制する姿勢だ。
  • 3.
    しかし一同の新参、ジャスティンの南京錠には細工がされていた。彼女は閉まらない鍵のせいで、建設現場の自衛部隊に捕獲される。
    銃を突きつけられるジャスティンだったが、そこを他メンバーが激写。彼女の父親が国連職員であると叫んだのだ。
    つまりジャスティンは、初めから父の名を騙るために連れてこられた、生贄の羊だったのだ。
  • 4.
    墜落
    作戦の成功を喜ぶ一同。一方で憤慨するジャスティン。アメリカに送還される彼らだったが、そこで思わぬ不具合が起きた。
    乗っていた飛行機が、墜落したのだ。
  • 5.
    捕獲
    うっそうと緑の茂るジャングルに不時着した一同。やがて彼らは、言葉も通じぬ怪しげな部族に取り囲まれる。それは何を隠そう、環境保護で救おうと試みていた部族だったのだ。
    一も二もなく襲い掛かる部族。吹き矢で眠らされ、ある者は串刺しにされ。絶望の足音が響き出した。
  • 6.
    食事
    村に運び込まれた一同は、木製の檻に閉じ込められる。
    やがて連れ出されたメンバーのジョナスは、石の上で解体され始める。あらゆる肉を削ぎ落とし、目玉をくり抜き、舌を割く。
    彼らが美味そうにジョナスだったモノを頬張るのを見て、これが食人族であることに気付いた一同。
  • 7.
    脱出
    幸いにも、檻は隙間だらけで逃げ出せなくもない。隙を突いてサマンサは天井から抜け出すと、小舟に向かって走り出した。彼女曰く、「助けを呼んでくる」と言い残し。
  • 8.
    肉スープ
    檻の中の餌が死んでしまわないよう、部族から食事が配られる。体力のためにそのスープを飲む一同だが、エイミーはあるものに気付いた。
    それはサマンサの、身体に刻まれたタトゥーと同じ模様の肉。
    自分が飲みこんだものの正体が友であることに絶望した彼女は、叩き割った器の破片で自らの首を掻き切って自害した。
  • 9.
    麻薬
    死んだエイミーが真っ先に食べられることを予期した一同は、彼女の体内に隠し持ったマリファナを詰め込む。案の定ラリった部族を見て、一同は最後のチャンスに賭けた。
    しかし国連の助けを待つつもりだったアレハンドロは、部族の食料になりたくない一心でラーズに毒矢を突き刺す。
  • 10.
    生食
    目覚めたラーズを囲む部族たち。彼らはとろんとした目でラーズを見つめると、本能のままに生きたままラーズを食し始めた。
  • 11.
    串刺し
    セスナの墜落地点に戻ったジャスティンとダニエルだったが、そこでまたも吹き矢の毒により昏倒する。
    脱出は失敗に終わったのだ。
  • 12.
    希望
    開発作業員の首を刈った部族の男。侵略の気配を感じた戦士たちは、一路自衛軍の攻め入るジャングルへと向かった。
    手薄になった警備を好機と見たジャスティンは、アクセサリとして持っていた笛で心を通わせた少年に救われる。檻を抜け出し、必死に走る。
  • 13.
    蟻地獄
    ダニエルは杭に縛り付けられ、身体になにやら怪しげな液体を塗られる。
    それは南米の凶暴な蟻を呼び寄せる蜜だった。身体中を食い尽くされるダニエル。
    ちょうど逃げ出したジャスティンに死を乞うダニエル。少年は、生贄の男に情けの刃を与えた。
    檻に残っていたアレハンドロは助けを求めたが、それまでの行いの災いによって見捨てられることとなった。
  • 14.
    戦闘
    銃火器と槍に弓。大規模な戦闘によって多くの死者が生まれる。
    ジャスティンはなんとか自衛軍のひとりに身元を伝えると、無事に身柄を保護された。
  • 15.
    隠蔽
    墜落以後の事実を隠したジャスティン。部族に罪が無いことを示すため、死んだ友人らは事故死ということにとどめた。
    こうして未開の部族は、誰からも責められずに生きていくことになったのだ。

演出

檻の中で縮こまる生存者たち

出回っている画像のほとんどが暴力的で、当ブログに掲載出来ないショッキングさを表現している。だがそれすらもだいぶ控えたカットをキャプチャーしているものが多く、実際に視聴するとその数倍のグロテスクさを見ることが出来るだろう。


この手の映画で重要な問題として扱われるCGの使用だが、ゴアシーンでは使われていない、もしくは、気付かないほど繊細な調整を施されている。
ホラーでCG丸出しが見えると途端に萎えてしまうコアなファンでも満足な仕上がりだ。

ゴアシーンではとにかく、さっきまで生きていた仲間が目の前で死に絶える様に注力している。
序盤でジョナが殺されていく様はまさにそれで、例えようのない無力感と、自分が次に選ばれるのではないかという恐怖感がぞわぞわと駆け上ってくる。

アメリカの都会から来た大学生にとって南米の地で遭遇したヤハ族は、文化も風習も道徳すらも異なる異質な存在だ。彼らが美味そうに焼けた腕やすねの肉にむしゃぶりつくのを拒む術など、ひとつもありはしない。
小屋の中で飼い殺される家畜のように、ただただ食われるのを待つしかないのだ。

冗長になってしまった序盤展開

蟻にたかられ、絶叫を上げるダニエル

ホラー/スプラッター映画にありがちで非常に悩ましい問題のひとつとして、どこまでストーリーのバックボーンを語るのか、に尽きるだろう。

導入から演出重視でゴアシーンをラストまでノンストップにすれば、感情移入や背景不足で劣る。
かと言ってダラダラと上映時間の半分を使って不要な前置きを続ければ、恐怖演出目当てで視聴しているユーザーは途中で眠気に襲われるだろう。

この点グリーン・インフェルノは後者であり、あまりにも序盤で無駄な背景や人間関係に対してカットを割り当て過ぎた。
あらすじでは省いているが、ジャスティンが大学で抗議メンバーとの出会いを果たす所から密林の上空を飛ぶまでに随分な時間がかかってしまっている。


個人的には飛行機内で人間関係を語るにとどめ、墜落するあたりからオープニングでも充分なのではないかと感じる。

難しい深読みや考察など不要

まじないを唱える部族長

この手の映画を見るにあたって、物語の粗を探したり不整合な事実や時系列をつつき回すのは不躾だ。
作品ごとに受け手の脳は受け入れ態勢を常に変化させる必要があり、グリーン・インフェルノを見る際はひたすら「莫迦」になればいい。

頭を空っぽにして恐怖シーンでドキドキし、脱出シーンでハラハラしよう。

難解な表現や伏線構築に疲れた視聴者には、良いスパイスになるだろう。

評価

批評家たちの間では低評価を示されることもある今作だが、些か不当な面もある。

筆者も序盤のかったるい展開には辟易したが、いざゴアシーンが開始されると表現力の上質さに驚いた。
昔からよくある題材で使い古された構成ではあるが、表現のそれは流石現代版である、と言って差し支えない出来映えに思える。
少なくともホラー/スプラッター映画として側面を大きく否定されるような出来では決してなく、ゴア表現にて視聴者を楽しませるには充分であった。

脳みそを空っぽにして、ひたすら食人族の恐怖を楽しみたい方にはお勧めの一作である。

★★★★☆
四つ星の優良作。
グリーン・インフェルノ(字幕版)
グリーン・インフェルノ(字幕版)

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