【映画】インシディアス 最後の鍵/エリーズの父に関する謎?真実を解剖【考察あり:ネタバレ注意】

ホラー

一作目の直前に起きた事件を扱った、INSIDIOUS THE LAST KEYをレビュー及び 評価、感想、解説、考察。

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あらすじ

約60年前、エリーズ幼少期まで時は遡る。

彼女は生まれ持った霊能力を、父親に疎まれていた。
死者の霊魂について否定する父は、ことあるごとにエリーズに対して躾と称した仕置きを行っている。

その晩、地下での蟄居を命ぜられたエリーズ。ふと、誰かの呼び声がする。
彼女は声の主に従うまま、あるを用いて重たい扉を開いた。

扉の向こうから伸びる怪物の手

扉の向こうから現れたのは、身の毛もよだつような怪物だった。
異変に気付いたエリーズの母が地下へ飛び込むと、その化け物は娘の目の前で母親を絞首にした。


時は経ち現代。
クインの一件以降パートナーとなったスペックスとタッカー、そしてエリーズ。
彼らの元に一件の助けを求める電話がかかって来た。

ニューメキシコ州、ファイブキーズ。
エリーズの幼少期を過ごした、母を喪った家。

彼女の母を奪った仇敵と、決着をつける時が来たのだ。

より強く意識されたテーマ

喫茶店で出会う男女

全てのシリーズ作に共通するテーマは、「家族愛」だ。
今作ではそれが顕著で、三作目で亡くなった夫以外のエリーズの肉親が登場する。

辛い幼少期を過ごした生家に戻った彼女は、そこで思いもよらない人物との邂逅を果たす。
それはほぼ生き別れに近い弟と、その家族だ。


これによりホラー作としての傾向よりも、家族の愛と絆を描く意思の強さを全編で感じた。
ゴリゴリの恐怖映画が観たい方には不満も残るかもしれないが、これはこれでアリな構成に思える。

多くの家族や友の助けで闘い続けるエリーズ。
ラストシーンで現れたあの人に、ついつい感情が揺さぶられるだろう。

仇敵

鍵の指を持つ怪物

今作では明確なライバルの存在が描かれており、それは冒頭で現れた「鍵を持つ者」だ。
奴に鍵を与えてしまったのは他ならぬエリーズ自身であり、彼女には決着をつけるための動機も、義務もある。

しかし実際に登場するシーンは思ったよりもかなり少なく、またこの悪霊の背景らしき背景も特段語られなかった。
純粋な、闇より産まれた悪ということなのだろうか。
退場の仕方も非常にあっさりしており、些か肩透かしであった。


グラフィック的にはかなり気色悪く仕上がっており、恐怖度自体は高い。
もっと序盤から徘徊させても面白かったのでないかと感じた。

伏線回収

暗闇にランタンをかざすエリーズ

今作でエリーズの出番は完全終了であるため、最後に駆け足で既存作品の伏線を回収する描写がある。

これは正直言って、少し無理のある展開に見えた。どう足掻いても後付け感が拭えない。
エリーズの能力を示唆するための場面ではあるものの、ここまで無理に回収を見せるような場面でもないので、いっそ無くても構わないようなシーンに思える。

とはいえ、これで不明な点は二作目のラストシーンのみに絞られた。次作の制作に関しては、

Surprise! 'Insidious: The Last Key' Is the Highest Grossing 'Insidious' Film! - Bloody Disgusting
Horror. Is. Hot. Between Split, Get Out, and IT, our genre absolutely decimated the box office in 2017. Proof that this wasn't just an anomaly was in the s



どうやらスピンオフか五作目を制作中のようだ。
再び霊魂でエリーズが出演するかは不明だが、そこで恐らく回収されるものと思われる。

評価

批評家からは厳しい評価を下された本作だが、少なくとも三作目よりは上質なエンターテイメント作品であると感じた。

一方でホラー作としての要素はシリーズ回を重ねるごとにどんどん薄まっており、純粋に「怖い映画」としてインシディアスを勧められるか、と聞かれればNOと答える他ない。

とはいえ、ここまでシリーズを追ってきたファンには充分にお勧めな一作であった。

★★★☆☆
三ツ星の良作。
インシディアス 最後の鍵 (字幕版)
インシディアス 最後の鍵 (字幕版)



一作目はコチラ。

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三作目はコチラ。

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以下、考察及びネタバレ注意。






父の謎

今回は珍しく、作中で明言せぬ事実がいくらかあった。その多くはエリーズの父、ジェラルドに関してだ。

軍人か?否か?

悔恨を見せるジェラルド

まず画像中で見える腕章には「DEWBEND FIVE KEY STATE」とある。このワードは検索してもINSIDIOUSについての情報以外ヒットしないことから、特別な意味を持たない架空の地名であることが伺える。

つまりこれは作中序盤で言及された通り、彼が刑務官として使用していた制服だろう。

視聴中は一瞬、腕章が見えた時点でアメリカ軍の腕章と思ったが、同様の紋様を用いた腕章は検索しても見当たらなかった。

何故彼を軍人と思ったかと言うと、それは次項に深く関わる。

被害女性のスーツケース

スーツケースから見つかるバルケンクロイツの紋様

十字架が見える。これはバルケンクロイツといい、主にドイツを示す記号のひとつだ。現在は、ドイツ連邦軍を示す国籍標識として用いられる。

1953年当時に被害者がこれを持っていたということは、間違いなく第二次世界大戦を生き延びたドイツ国民である。

当時、戦時中や戦後にアメリカへ逃げ延びたドイツ国民はある程度存在し、またその多くがしばらくの間、迫害を与えられた。ナチスドイツになんら関わりを持たない者ですら、嫌がらせや差別を受けたそうだ。


つまりこのスーツケースから示されるのは、ジェラルドが熱心な差別主義者であったという一面だ。彼は以前にドイツ国籍を持っていたというだけの理由で罪の無い女性を地下へ連れ込んでは、私刑を与えていたということになる。

彼は決して無作為に女性を甚振って喜ぶ変質者ではなく、ある一定の信念に従って監禁行為を行っていたことになる。無論、それらの是非は問うまでもないが。


そして鶏が先か卵が先かは分からないが、恐らくは元々持ち合わせた偏見や差別という負の感情を「鍵を持つ者」に魅入られ、憑りつかれてしまったのではないか。

差別を持つきっかけ

杖をつくジェラルド

ジェラルドが従軍経験のある軍人であったならば、現地での窮状を目の当たりにして歪んだ価値観を持ってしまったのも理解出来なくはない。

また彼を退役軍人と思わせる描写のひとつに、杖をついて歩く姿があがる。従軍中に足を負傷し、後年をファイブ・キーズ刑務官として過ごしたと仮定すると、女性を監禁した動機なども全て納得のいく説明になると思われる。

だが彼に軍人の経験があるという証拠は何ひとつ無く、真相は分からない。
熱心に共産主義圏のテレビニュースを見ていたからといって、それら全てが兵士ではないのだから。

終わりに

シリーズでは珍しく謎を残した本作だが、センシティブな内容に触れないように敢えてぼかした節もある。
いずれにしろ謎解きファンとしては、こういった趣向は大歓迎だ。

インシディアス 最後の鍵 (字幕版)
インシディアス 最後の鍵 (字幕版)

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