【映画】ワイルド・ギャンブル/賭博依存症と、勝利の男神?【ネタバレ:レビュー】

コメディ

ギャンブル珍道中を描いたロードムービー、Mississippi Grindをレビュー及び 評価、感想、解説。

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あらすじ

ある夜、ポーカーのテーブルで偶然同席したゲリーとカーティス。彼らは妙に気が合うことで意気投合し、飲んでは賭けての暮らしを数日楽しんだ。

不思議と負け続けのゲリーも、彼と賭博場にいる間は幸運が舞い込むことにふと気付く。
やがてゲリーはカーティスに、勝利を呼び込む力があることを確信したのだ。

しかし旅の道中であるカーティスは名残惜しくも別れを告げると、次の街へと旅立つという。
ゲリーは自らの抱えた借金を返済すべく、ギャンブル旅行への同行を申し込んだ。

名優ぶり

バーで酒を頼むゲリー

主演のふたりの演技力は素晴らしく、特にくたびれたギャンブル依存症を演じたベン・メンデルソーンが最高にハマっている。

競馬場やドッグレースでアツくなるさまは、見ていて恥ずかしいぐらいに脳が焼かれたオヤジを演じきっている。
また依存症以外にも手癖が悪く嘘つきで、金にだらしない屑っぷりが清々しいほどである。

本当にどうしようもない人間像なので、現在進行形で似たような生活を送っている方は、悪い意味で共感してしまうかもしれない。絶望注意。


多くの名優は”視線”で演じる。
彼もまた瞳の使い方が抜群に上手く、役への没頭ぶりが窺える。ふとしたなんでもないシーンでも、目の動きに注目するだけで味わい深さが変わるだろう。

教訓作品ではない

大勝負に出るゲリーとカーティス

ネタバレになるので詳しくは省くが、

”ギャンブルで人生をひっくり返そうなんて、都合がいいことを考えるな”



という教訓めいた作品ではないとだけ言っておこう。
かと言って”アメリカンドリームの体現”、というビッグチャンスを描くほどでもない。

ジャケットや邦題で煽られているイメージに、

凄腕ギャンブラーの億単位勝負かな?

イカサマを駆使してカジノをぶっ潰す話かな?



と思わされた方は多いかもしれない。

しかし本作は、”嘘喰い”や”カイジ”のようなスリリング賭博とは異なる。テーマではあるものの、あくまでひとつのファクターでしかないのだ。


なんにせよ作中でカーティスが言うように、

金で自由が手に入ると思っている



という言葉が、いくらかのヒントになるだろう。

だがラストシーンに至る過程では、若干の消化不良を感じたのも確かではある。
もう少しヒネた内容を望む視聴者は多かったと思われる。

変われる者、変われない者

金庫に暗証番号を打ちこむシーン

ダメな自分を変えたい、変わりたいと望むことは誰しも経験する。

しかしそれを強く心に刻み続け、行動に移せるのはごく僅かな者に限られる。大半はそれを星に願うだけで、砂を噛む思いをしてまで、自発的な努力には至れないのが現実だ。


彼らは旅の中で何度もそれに直面する。
金、嘘、卑屈、自堕落。

果たして変われる者は誰で、最後まで変われなかったのは誰なのか。
現実へ訴えかける思いが見え隠れしていた。

BGM

カーティスの母親が酒場で歌うシーン

絶えず南部感溢れるミュージックが要所で流れ、雰囲気づくりに一役買う。
NYや西海岸をベースにした作品の多い中で、こうしたユルさは新鮮味を与えていた。

特に画像のカーティスの母が歌う、「息子に捧げる曲」は感慨深く、曲調に反した罪への罪悪感を思わせる歌詞である。

この独特な楽曲たちと古いフォレスタで流れる”ポーカー術200選”が、妙に印象深い作品である。

評価

傑作とまでは言わないが、映画のひとつの在り方としては充分



作品を通して自分に問いかける重みは各々違うので、それが強く感じられる人には興味深い一作になるだろう。

★★★☆☆
三ツ星の良作。
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ライアン・レイノルズ主演、サンダンス映画祭ほか、各国の映画祭で絶賛された名作!ジェリーはギャンブル癖が故に生活が崩落した中年の男。ある夜、カジノでカーティスというカリスマ的な若い青年に出会い、借金の返済のため、伝説的なポーカーゲームに参加すべく2人で旅を開始するが...。


日本国内だとカジノIR誘致はまだまだ先で、下手をすると頓挫の可能性もある。
ただし海外に行けずとも、オンライン上でカジノプレイを楽しむ方法は存在している。

ともかく最初は無料でプレイが可能なようで、かなり敷居は低いと感じた。


なお、プレイに際して賭博法が適用されるかについては、今のところグレーゾーンとの見方が強い。


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