【映画】MONSTERZ/フィクション史上、最強能力者誕生【ネタバレ:レビュー】

スリラー

サイキック同士の闘いを描いたスリラー映画、MONSTERZをレビュー及び 評価、感想、解説。

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あらすじ

あらゆる人間を瞳で操るサイキックである、謎の男。彼は人間社会に潜みひっそりと生きていたが、ある日看過出来ない存在と出くわした。
彼の名前は、終一。謎の男が出会った中で唯一、操作不可能な人物だった。

操る者、操られない者。両者は互いに因縁を巡らせ、死闘を繰り広げることになっていく。

サイキックバトル

タブレットに残された映像

超能力者バトルと言っても、マグニートーやサイクロップスのようなド派手エフェクトで闘う旨ではなく、基本的に肉弾格闘戦が主である。

謎の男は人間操作術、終一は異常な再生能力を持ったサイキック同士。彼らは便宜上、”新世代”と呼ばれ、作中で謎の男が手にしている漫画「AKIRA」からのインスパイアを受けていることは明らかだ。


制約付きとはいえ全人類を操作可能という最強クラスの能力を持つ謎の男。しかし彼が幾度殺そうと目論んでも、そのたびに終一は難を逃れる。
これは終一の持つ再生能力に起因するのだが、しかし一方で謎の男の詰めの甘さが際立つのも確かだ。全編で確殺を取れるシーンはいくつもあるのに、何故か毎度毎度おざなりの生死確認にとどまる。

ストーリーの大きな原動力である殺意の帰結部分を疎かに描くことで、本来太刀打ちの出来ない強力な超能力が、やけに陳腐で軽々しく見えてくる。害意以外に用意されたバックグラウンドの存在しない脚本である以上、もっと貪欲に相手の命への執着を見せるべきであったはずだ。

同じことの繰り返し

格闘家に襲われるシーン

ストーリーが進行しても、驚くほどに同じシーン構成の繰り返しであるに気付くだろう。

謎の男が誰かを操る→乱闘→終一が怪我を負う→最初へ戻る



基本的にこの繰り返しであり、ラウンド方式の格闘技を見せられている気分になる。
まるで味のなくなったガムを、延々と噛み続けさせられている心持ちである。

終一が怪我を負うとラウンドエンドの合図であり、小休止という名の茶番が入る。このサイドストーリーもかなり出来が悪く、闘いの腰を折ってテンポを悪くする以外には、尺の調整程度の働きしかもたらさない。

決意不足

喉に銃口を当てられる終一

作中では銃火器が多数登場するが、その大半は使われぬままになる。

それというもの上記画像のような、”引き金を引けば終わり”といった圧倒的に有利な状況が何度も訪れるにも関わらず、彼らは誰もが発砲出来ずに形勢逆転を余儀なくされる。

土壇場で臆病風に吹かれる
無駄口を叩いていたら足元をすくわれる
状況に余裕を見せて逆転される



国産の作品では未だにこういった描写が用いられるが、”銃を突き付けてマウントを制した者がおべんちゃらを並べて敗北を喫する”、というケースの大半は忌み嫌われている。

喋ってないで、撃てよ
こうした観客の心の声を予想出来ないというのは、コンテンツ制作者の失策もいいところだ。客観的に作品を見直した時に、苛立ちや合理性の欠如を少しでも感じなかったのだろうか。


幸いにも、終一には超再生というギフトがあった。やり直しのきかない謎の男はいいとして、彼に関しては蜂の巣になるほど撃たれまくっても問題は無かったはずだ。

リアリティの欠如

リゾートプール

ここで指すリアリティとは、サイキック能力の是非についてではない。作品がそういうテーマであるならばそこに関して意を唱えるのは無粋だ。

容疑者に頭陀袋を被せるという非道徳行為を行う警察官ら
三十近い男たちがスパリゾートでビーチボール遊び
大量の巻き添えを生む劇場での戦闘を選ぶ特殊部隊



多々ツッコミどころはあるが、目立つものを羅列してみた。

こういった非現実的なファクターが積みあがるたび、視聴者の意識はスクリーンから遠のいていくだろう。

本作は背景が圧倒的に薄っぺらく、ほぼ謎の男の超能力頼みで構築された一本槍形式だ。
であるならば、せめて粗の目立たないディテールを心掛けて共感を得られるような小技を挟まないと、薄ら笑い以外のエモーショナルを我々から引き出すことは非常に困難だろう。


スリルも、恐怖も、涙も何もない。現実感の無いぺらぺらの薄紙を何度もめくり返す、虚しい紙芝居屋の独り舞台にしか見えない。

評価

俳優の演技力をご破算にする脚本と演出



積極的に自己浪費を心掛ける方にはお勧めだろう。

★★☆☆☆
二つ星。
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