【映画】サラリーマン・バトル・ロワイアル/流行りのバトロワ in オフィス【考察あり:ネタバレ注意】

スリラー

密室となった会社内で起きる殺し合いを描くスリラー映画、The Belko Experimentをレビュー及び 評価、感想、解説、考察。

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あらすじ

ベルコ社はコロンビアに展開した非営利のアメリカ系企業。

ある日出社した社員らは、奇妙に厳重な出入り審査を行われる。
不穏なものを感じつつも、いつも通りにオフィスへ通された一同。

だがその日、業務はいつもの事務仕事ではなく、命を懸けたバトル・ロワイアルだったのだ。

ネタバレ概要

ネタバレストーリー
  • 1.
    選別
    出社したベルコ社員は、厳重な検問を経て、なぜかアメリカ人以外は帰宅を促される。
    結果的に社内には、現地コロンビア人はひとりも残らなかった。
  • 2.
    社内放送
    社内にアナウンスが流れる。
    「今から三十分以内に、ふたりぶんの死体を用意しろ。さもなくば、その余波を受けるだろう」
  • 3.
    隔離
    80名の社員の多くが、これがたちの悪いイタズラだと感じていた。
    マイクは念のために非難を促すが、その時、ビルの全面が分厚い金属板で覆われ始める。
  • 4.
    バーナー
    修理屋のバドは、バーナーで金属板を炙る。しかし突破の見込みは薄く、少しも歯が立たない状況だった。
  • 5.
    狙撃
    屋上で助けを求める者たち。その時突如、彼らのひとりが後頭部を弾けさせ、その場に倒れ伏した。同時に社内でも、数人の者が同じように頭部から血を噴き出す。
    狙撃が行われていると判断した彼らは、一瞬でパニックに陥り、散り散りに逃げ出した。
  • 6.
    爆破
    だが後頭部の痕跡が銃痕でないと見破るバリー。それは明らかに、内部から弾け飛んだように見えている。
  • 7.
    タグ
    ここでマイクは入社時に、現地での保険として後頭部に埋め込まれたタグを思い出した。
    仮にそれが単なる追跡装置でないとするなら、全社員の頭には爆弾が埋め込まれていることになる。
  • 8.
    除去
    マイクは洗面所にこもると、カッターナイフで自分の後頭部を切り開こう試みた。自力で爆弾を切除するつもりだった。
  • 9.
    警告
    だが再びアナウンスが流れ、彼の行為は寸前で止められた。従わなければ、すぐさま爆発させると脅されて。
    これにより、何者かが社内のいたるところにカメラを仕込んでいることが明らかになる。
  • 10.
    武器庫
    バリーはセキュリティのエヴァンに、武器庫の鍵を持っているか尋ねる。
    彼は自分に預けるよう諭したが、エヴァンは自分だけが持っているのが安全だと主張した。
  • 11.
    三十人
    新たなアナウンスが始まる。四名の死をもって単なる脅しでないことを示した彼の次なる要求は、二時間後までに三十名の死体を用意することだった。
    仮に規定数を守れない場合、六十名の爆弾を起爆させると言い残して。
  • 12.
    恐怖
    エアコンの修理に向かっていたバドは、興奮した相棒にレンチで殴られて死亡する。初めての殺人が起きた瞬間だった。
    また、その現場を目撃してしまったダニーは、自衛で彼を殺害してしまう。
  • 13.
    議論
    バリーは三十人を選別すべきだと主張する。マイクはそれを非難するが、有効な手立ては見つからないままだ。
    そこでリアンドラは、屋上から助けを求めるメッセージを記した垂れ幕を垂らそうと提案した。
  • 14.
    錠前破り
    バリーらはバドの残したバーナーを使い、独断で武器庫の扉を破ろうと画策していた。
    マイクらがそれを見咎めたところ、興奮したエヴァンは銃を抜いてそれを制しようとしてしまう。
  • 15.
    阻止
    扉を破ることを続けようとするウェンデル。そこでマイクは、銃でバーナーを破壊して阻止した。
    感心するエヴァンだったが、リアンドラはその行動を愚かだと断じた。
  • 16.
    射撃
    屋上から垂れ幕を垂らすマイクたち。しかし敷地内に陣取った地上の武装兵士たちは、射撃にてこれを阻止する。
    また違反者は爆弾を起動するとアナウンスされ、彼らの試みは失敗に終わる。
  • 17.
    襲撃
    バリーたちはマイク、エヴァン、リアンドラに奇襲をかける。
    マイクは昏倒し、エヴァンは銃を奪われ、腹を包丁で刺されることに。
    そして武器庫という、禁断の扉が開かれることになった。
  • 18.
    集合
    銃を手に入れたバリーたち。彼らは武力をもって、全社員をロビーに集合させた。
  • 19.
    選別
    「18歳未満の子供が居る者」「60歳以上の者」バリーは東西に人々を別れさせ、壁を向いてひざまずくように言った。
    これから起こることに、誰もが気が付いている。
  • 20.
    処刑
    ひざまずいた人々を、順番に撃ち殺していくバリー。
    だが並ばされたマイクが撃たれる寸前で、招集を逃れていたダニーはブレーカーを落とし、社内の電気を消すことに成功した。
  • 21.
    混乱
    逃げ惑う人々。バリー一味は彼らの背に銃弾を放ち続ける。
  • 22.
    二分前
    残り時間二分前。死亡者数が29名とアナウンスが入る。
  • 23.
    不殺
    テリーに追われるリアンドラ。彼を返り討ちにしようとしたが、そこで彼女はこんな状況でも殺人をしない、という道を選んだ。
    だがそこで、無情にも時間切れの合図が入る。
  • 24.
    大量死
    追加31名の爆弾が起爆された。
    次なるアナウンスでは、最も多くの者を殺したひとりだけが生き残れる、という究極のサバイバルを提示する。
  • 25.
    挟死
    エレベータの天井をつたい、屋根に潜んでいたロベルタとダニー。
    そうとは知らずに最上階のスイッチを押したバリーに慌てたロベルタは、壁に挟まれて圧死した。
    そこでエレベータは緊急停止してしまう。
  • 26.
    嫌悪
    ウェンデルと対峙したリアンドラ。彼女は斧で、その大嫌いな面を叩き割った。
  • 27.
    炎上
    ロビーで落ち合ったマイク、リアンドラ、ライザ。
    しかしライザは火炎瓶で焼け死に、またエレベータから抜け出したハリスによってライザは被弾してしまう。
  • 28.
    迂闊
    隣のエレベータに乗り込んで難を逃れたダニーだったが、迂闊にもロビーに降りたところをバリーに一撃で射殺される。
  • 29.
    決着
    最後の生き残り、マイクとバリー。
    マイクはセロハンテープで彼を殴り殺すと、このゲームの勝者となった。
  • 30.
    インタビュー
    勝者として、敷地内の格納庫へ連れて行かれるマイク。そこで彼は、カメラに録画されながらインタビューを受けることになった。
  • 31.
    爆弾
    遺体の頭から集めた爆弾を、兵士らの懐に忍ばせていたマイク。
    彼は隙を突き、起爆装置を一斉に起動させた。
    格納庫の中で生き残ったのは、マイクだけだった。
  • 32.
    ステージ1
    世界中のあらゆる地域で行われていた試験の、ステージ1が完了する。

基本はショッキングシーンがウリ

斧を振りかざすリアンドラ

ひざまずいた人々が次々に処刑されていったり、斧で顔面をブチ割ったり。
主にゴア感強めのショッキングシーンが主軸として存在している。

遺体の出来映え自体はそこそこ良く、コアなグロファンもニッコリの仕様に仕上がっている。


やはりリアンドラがウェンデルの顔を叩き割った瞬間こそが、最もカタルシスを得られる瞬間になるだろう。
冒頭から勘違いの絶えないセクハラ男として描かれた彼は、きっぱりと拒否をされてもポジティブに捉えてしまえるタイプ。
同性から見てもかなり気色悪い言い寄り方をしていたので、彼の命乞いからの顔面パックンチョはなかなか気分が良い。
テリーの時と異なり、リアンドラに一瞬の逡巡すらも無かったのもグッド。

サブ要素は皆無

メインはショッキングと銘打ったものの、それ以外に特筆すべき部分が皆無になる。
割り切ったスリラー作としてはこの手の仕様でも問題無いだろうが、あっさりし過ぎた感も拭えない。

メインのタスクとは別軸で、事件の謎を追うようなサブタスクが走っていても良かったようには感じる。


一応、ラストシーンでは大きな陰謀を匂わせるような仕掛けも施されていた。
しかし汲み取れる事実が少な過ぎるために、視聴者に委ねる部分が大きすぎたのが難点だ。

サラリーマン感もナシ

セロハンテープをかざす場面

一部のキルムーブ以外、ほとんど”会社員らしさ“は現れない。
予め武器庫に備えられた拳銃による射撃が概ねであり、死因の9割は銃創になっている。


とはいえ、

じゃあ、サラリーマンらしいキルムーブってどんなもんよ?



こう問われると悩む。

シュレッダーの紙ゴミを口に詰め込んで窒息させたり、コピー機で人間サンドイッチとかだろうか。
やりすぎるとコメディ感も増してしまうので、結果的に銃器の解禁は正しい道筋だったのかもしれない。


ちなみに、

“サラリーマン・バトル・ロワイアル”



上記は邦題で、原題は、

“The Belko Experiment



こちらは、「ベルコの実験」という至ってシンプルなネーミングになっている。

BGMが素晴らしい

泣き叫びながら銃を構えるテリー

画一的な危機感を煽るような緊迫メロディーを使わず、物語上で自然になるようなBGMを選曲している。

上記処刑シーンはその骨頂で、悲壮感を紛らわすためにバリーはオーディオのボリュームを上げさせる。
いかにもコロンビアを思わせる南米ミュージックに乗せて、選別された社員の阿鼻叫喚地獄が引き起こされる。


劇中のオーディオ音源をそのまま自然にフェードさせる手法はかなり主流といえ、昨今の映画では多く見られる。
この手段の場合、選曲に人物の意図を反映することが可能になる。
単なる場面への補佐だけでなく、そこに物語すらも上乗せすることが出来るのだ。


劇中で使われていたサウンドトラックは、以下で試聴出来る。



なお処刑シーンで使われていた音楽は、「California Dreamin’」というタイトル。
元は1965年にママス&パパスがリリースした曲になるが、様々なアーティストによってカバーされている。

総評

仕様は下品なスプラッター劇だが、エンタメ感強し



割かし上質な映像体験になる。オススメの一作だ。

★★★★☆
四つ星の優良作。
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以下、考察及びネタバレ注意。






ベルコ社の目的

インタビューを受けるマイク

全世界で同時にバトルロワイアルを開催していたベルコ社。
この思惑はどこにあるのか?

より良い社会をつくるため
科学的データを集めている



断片的に示したこれら情報。

実験を終えて、最後にマイクは現在の感情を問われる。
この部分が重要であると言わんばかりに。

ある程度、生き残るべき人物は想定されていた

羽交い絞めにされる場面

作中で冒頭の四名に加え、追加で起爆された31名。彼らは単なる無作為の犠牲者だったのだろうか?


ヒントになるのはマイクの爆弾取り出し部分になる。
主催者がやけに寛容だったのは記憶に新しい。彼らは秒読みという猶予を与え、マイクが爆弾取り出しを諦めるように促している。

これは前予告なしで爆破されたゲームの犠牲者を考えると、想像以上の温情に思われる。


垂れ幕を垂らした時も同じだ。
あの場面、監視カメラで見られていたにも関わらず、最後まで垂れ幕にこだわったにも関わらず、マイクは起爆されなかった。


よってある程度、ベルコ社は生き残るべき人物を想定していたと思われる。
それは時間切れで起爆を受けず、最後のゲームに挑んだ者たちだろう。

殺人ゲームの果てに感じるものは?

思考するバリー

大まかなリサーチにより、ベルコは勝ち抜きとなるべき人物を何人かリストアップした。
そこで殺し合いの果てに、彼らがある感情を抱くことを期待して。


ここで重要になるのが、格納庫で火傷の男が問うた四択になる。
恐らく彼はDの問いをマイクが選択することを求めていたと思われる。

しかし遮られた問いは、結局うやむやになった。
ではDの選択肢、いかなるものだったのだろうか?

尊い命を感じて欲しいケース

死に際に残した、

今日の行動から分かる
命は神聖なものだと



これを額面通りに受け取るケース。

この場合、Dの問いは、

命は神聖か?



となるだろう。

シリアルキラーを求めていたケース

仮にベルコ社の思惑が、

百戦錬磨の戦士に相応しい、殺人の申し子を見つけ出す実験



ここにあった場合、Dの問いは、

スカッとしたか?



達成感を問うものになるだろう。


しかし上記いずれのケースだとしても、ここでの問答に重要性が無かった可能性もある。
なぜならヒントは、モニターに映った男女らがみな、マイクと同じように拘束を受けていないことにある。

ラストシーンの出来事は織り込み済みだった

ライフルを構えるマイク
インタビューを受けている最中、ブチ切れてその場の全員を殺害するまでがステージ1のクリア条件だった



ラストの世界各地を映したモニター。
彼らはみな、マイクと同じような状態で扉から出て来た。

これはマイクと同じく、インタビューを遮り、監視者らを皆殺しにしたということだ。

つまり四択の問いなど本当はどうでもよく、あの場面ではマイクに苛立ちと復讐心を芽生えさせることが目的だった。


命は神聖か?」などとあの状態で聞かれて、はいそうです、などと答えられる者など居ない。
火傷の男はマイクに殺される覚悟でインタビューに臨んでおり、結果的に彼の思惑通りに運んだわけだ。
何も知らなかったのは、部下の兵士らだけだっただろう。

結論:やはり目的は不明

拾える情報が少な過ぎるため、ステージ2を経て、ベルコ社がどんな人材を発掘しようとしているかは定かではない。

或いはこれが、無目的なデータ収集である可能性も拭えない。
新たな科学は、一見して無駄で無意味な箇所から発展することもあるからだ。


イメージだけで捉えると、蠱毒によって優れた戦士を生み出そうとしているのが最も近そうではある。
しかしそれにしては、莫大なコストと人命が失われ過ぎている。
リターンが見合わない投資と言わざるを得ないだろう。

  • 蠱毒とは?
壺の中に様々な毒虫を詰め込み、土の中にしばらく埋める。
最後に生き残った虫は最強の個体、かつ強い怨念を持つため、主に呪術に使われることになる。
古代中国伝来の禁忌術。これを人に用いたと知れると、処刑されたという。



ベルコ社の正体は?

ベルコ社
  • 全世界に影響力多大
  • 採算度外視で意図の不明な実験を行える
  • より良い世の中のため



恐らく制作陣は、明確に”ある組織“をモチーフにしたと思われる。
黒いウワサの聞こえる、この秘密結社のモデルとなったのは?


申し訳ないがビビッているので、名前は挙げないことにさせてもらう。


だがネット文献を漁れば、すぐに想定される組織が見当たると思われる。

ヒントとして、火傷の男が語った、

社会科学者は常識にとらわれずに、人間の行動を研究できるべき



この言葉になる。

史上最も邪悪と呼ばれた男も、こうした理念をかつて持っていた。

終わりに

ゴリゴリのエンタメ作品なのに、ベルコ社のモチーフだけがヤバめなことになっている。

おっかねえ。

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