【映画】インサニティ/ドラッグの副作用はゾンビ化?【ネタバレ:レビュー】

ホラー

ドラッグによるゾンビ化を描いたホラー映画、The EVIL in USをレビュー及び 評価、感想、解説。

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あらすじ

市街地のアパートで惨殺事件が起きた。死亡者は二名、重傷者が一名。

彼らはとてつもない力で肉体を破壊され、身体中には咬み痕が見えた。野生の獣とは異なる歯形に、警察は人間による犯行と断定。

唯一の生き残りである女性と交際関係にあった男の足取りを辿る。


時を同じく、六人の男女が孤島の休暇を楽しんでいた。
酒、煙草、コカイン。
外界と隔離された僻地でのパーティは時間を忘れるほどで、あっという間に夜は更けた。

だがキャンプファイアーを囲む皆の中で、ひとりウィーラーの様子がおかしい。彼は瞳を驚くほどに充血させると、次第に暴力性を垣間見せはじめ……。

ゴア表現

凄惨な事件現場に踏み込み警官ら

冒頭の惨死シーンはかなり力が入っている。欠損表現や圧倒的暴力の痕跡を見せるこの部分には、かなりワクワクするものがある。

また全編通してダメージ部位は凝っていて、手抜きの無いグロテスク表現が見られる。ゾンビ作品の共通する重要なファクターは押さえているようだ。

また終盤のショッキングシーンとして、焼身を描いたものがある。現実的に考えると重度熱傷で生存していることは不可解なのだが、これを生きたまま見せるのは少々驚いた。

グロ部分に関してはなかなか趣向を凝らした作品と評価しても構わないだろう。

長過ぎる前フリ

友人同士で楽しむパーティ

冒頭の事件を見たら、50分程度まで飛ばしても物語のディテールは把握出来る。つまりその間の部分は完全に蛇足だ。


湖畔のロッジで休暇を楽しむ若者たち。どこぞのカウンセラーよろしく独立記念日を楽しむ彼らを見続けるのは、苦行以外のなにものでもなかった。

合間でちょっとした事件の進展なども見られるものの、肝心のゾンビパニックに至るまでが長過ぎる。

なぜ映画SAWがあれほど支持されたのかを、制作陣は理解する必要があるだろう。退屈な時間が50分も続けば、どんなに優れた内容の作品だろうと評価は数段落ちる。

黒幕の存在

監視カメラに映った被験者たち

本作では初めからウィルス散布の黒幕の存在が示唆される。彼らの行動目的を知ることが、一応のテーマではあるのだ。

だがこれら裏のシナリオが存在する意義が少々薄い。ホラーパートに影響を与えるような恐るべき事実も見えず、ただ単に設定を可視化しているに過ぎないのだ。

この部分に時間の尺を使うくらいなら、もっとチープでいいからゾンビによる虐殺パニックを描くべきだった。

ここで孤島設定の悪い地合いが発露していて、ウィーラーが飛び出したことによる発展が一切無いのである。犠牲になるのは仲間五人だけで、世界にインフェクションパニックが起きることはない。

またラストシーンで明らかになる黒幕の思惑についても、やや突飛が過ぎた。こんなことに資金をつぎ込むのならば、もっと有用な使い道があるだろう。そんなツッコミが頭をよぎった。

ゾンビの特性

ゾンビ同士の争い

便宜上ゾンビとはしているが、実際には本作の感染者は死体ではなく、ドラッグ吸引による理性崩壊状態を指す。よって古典的ゾンビとは異なり、運動能力に劣化はない。

このため全力疾走や殴打といった上位スキルを用いて対象を襲うため、かなりゾンビとしての脅威度は高め。「28日後……」にかなり近い種である。

またしばしば議論を醸す、”なぜ生存者しか襲わないのか”という疑問を感じさせない仕様、つまりは同士討ちの存在が特徴的である。

感染者同士でも立って歩く姿を見れば、見境なく攻撃を加える。また死体を貪ることも同様で、この点ではゾンビファンを唸らせる設定になっている。

惜しむらくはやはり、これを市街地で展開出来なかったことに他ならない。仮に大規模なインフェクションパニックをこの設定で描けていたならば、もっと高評価を受けたことは予想に難くない。

評価

ゾンビの設定やゴア表現は良し
尺の使い方や背景設定はイマイチ



かなり惜しい作品だった。
ゾンビファンなら勧められる一作と感じる。

★★☆☆☆
二つ星。
インサニティ(字幕版)
インサニティ(字幕版)

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