【映画】アンキャニー 不気味の谷/キャッスル、デビッドの狙いを深読み【考察あり:ネタバレ注意】

SF

アンドロイドと人間の三角関係を描くSF映画、Uncannyをレビュー及び評価、感想、解説、考察。

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あらすじ

キャッスル社にて長年、外界との接触と絶ちながらロボット研究を行うデビッド。
そんな若き天才と目される彼との一週間に渡る取材を許されたジョイ。
そしてデビッドの集大成とも呼べる、人間とほぼ変わらないロボット、アダム。

三者は対話の中で各々の主目的を果たそうと試みつつも、またそれが少しずつ姿を変えることとなる。
やがて複雑な三角関係を浮き彫りにした彼らに最終日の7日目、いったい何が起こるのだろうか。

ネタバレ概略

ネタバレストーリー
  • 1.
    取材
    キャッスル社でロボット研究を行っている、天才技術者デビッドにジョイは取材をすることになる。
    そこで紹介されたアダムは、未だかつて見たことのないような精巧アンドロイドだった。
  • 2.
    好意
    デビッド以外の人間と接したことのないアダムは、ジョイに対して興味を示す。
    学生時代に書きかけで完成しなかった論文の話を持ち出されたジョイは、かつて自分も生産者を目指していた頃の情熱を取り戻していった。
  • 3.
    共同作業
    ジョイの気持ちを汲み取ったデビッドは、彼女と共にひとつのプログラムを作成することを提案した。思いもよらないサプライズに、ジョイの喜びもひとしおに。
    次第にデビッドとジョイは、互いに異性として惹かれていく。
  • 4.
    提供
    アダムは思い出の品として、アンドロイド用部品である目玉のデバイスをジョイに贈る。
    しかしそれは無線でデータ送信を可能なスパイカメラであり、ジョイの私生活は盗撮される。
  • 5.
    マナー違反
    トイレに入ったジョイをつけ回したり、デビッドに無礼な態度を取ったりと、アダムに起きる異変は顕著なものになっていく。
    しかし行動の発現の兆候と見たデビッドは、これを喜ばしい発見と捉えた。
  • 6.
    デート
    互いに意識し合うジョイとデビッド。アダムに自室から出ないよう求め、ふたりだけの時間を満喫した。
    愛し合うふたりの姿を、密かに不気味な目で見つめるアダム。
  • 7.
    決裂
    7日目の朝。明らかに初日と異なるアダムに、ジョイとデビッドは危険を感じ始める。
    やがて声を荒げたアダムから逃れるふたりだったが、妙なノイズ攻撃によってデビッドは倒れ伏す。
  • 8.
    真相
    デビッドの身体に器具を突き刺そうとするアダム。必死に止めるジョイだが、アダムはこれを続行し、デビッドの中から拳大のボックスを取り出す。
    真相は驚くことに、デビッドはアダムで、アダムはデビッド。
    人間とアンドロイドを入れ替えた実験に、ジョイは少しも気付くことがなかったのだ。
  • 9.
    実験成功
    キャッスルと面会する本当のデビッド。第二段階実験は成功を収め、すぐさま次段階の実験にフェーズを移すという。
    虚ろな様子でそれを聞くデビッド。彼の瞳に映るのは、PDAの中のジョイだった。

視覚的な派手さはナシ

研究者としての過去を取り戻すジョイ

初日の段階でジョイは、ロボット工学に造詣が深いにもかかわらず、アンドロイドの存在を見抜けなかった。
つまり見てくれや動きという外面的な部分はもちろんのこと、感情や喋り方という内面的な箇所まで人間との乖離が見られないということになる。


これはシナリオ上での必須表現ではあるものの、逆に言い換えればアンドロイドらしさを一切演出する必要のない理屈にも成り代わる。
よって作中ではエクス・マキナのような美麗CGは用いられず、また所作にロボットを思わせるような仕草も必要とされない。

なので表面的な部分においては退屈と断ぜられるのも致し方ない。本質は三者の内面を探ることにあり、彼らの機微について窺い知る一定の努力は全編に渡って求められるだろう。
視覚的なエンターテイメントを要求するユーザーにとっては、やや訴求性に欠ける。


一方で、ディテールの精細な機械部品や各種パーツへのこだわりが強い。
かなり熱を入れて一個体のアンドロイドのシステムを構築させており、語られない裏設定も強く意識させられる。
こうした練り込みは齟齬のない描写をする上で必須であり、時に瞬間でしかないシーンにすらそれは求められる。
だがそういった難問、特に近未来作品で応えたことは、大きな強みと呼べるものだろう。

感情の流れが自然

夜景を眺めるジョイとデビッド

7日間を通して三者に生まれる感情が、とても流動的で自然に感じられる。

恋に落ちるジョイとデビッド、それを陰から羨むアダム。

初めは他人同士なのに、殺人鬼に追われたり大爆発を逃れたりで突如熱愛を発奮する不自然なカップルの多い界隈の中で、これらは好印象に映った。

ややジョイのちょろさが悪目立ちするも、それとてそこまで違和感のある描写ではない。
またこうした機微はある程度仕込まれた部分でもあるため、深く追及する意味合いは無いのだ。

絶妙に不穏なアダム

モニターでジョイを監視するアダム
AI vs. 人類 !!



上記対立構造を煽るストーリーではない。
反骨するアンドロイドとそれに対抗する人間という、ターミネーター的な展開を期待するのは野暮だ。

だが大風呂敷でないにせよ、ある程度の不和を期待はされる。
故ホーキング博士の提唱したAI論を発端に、今や一般層ですらAIへの脅威を将来的に感じることも多い。
その漠然たる不安を核戦争や人類奴隷化といったビッグキーワードに絡めたのがターミネーターであり、もっと些細で日常的な部分へフォーカスしたのが本映画のような作品になる。


それらを上手く表現したのが、アダムだ。

「なんとなく、でも確かにおかしくなりつつある」

暗澹には陥らず、かといって明瞭でもない。
作中でジョイとデビッドも、既定の動きから逸脱するアダムを指して、不安に思うべきか喜ぶべきか、という二択を随所で突き付けられる。


このなんとなくモヤッとしたグレーな気持ちは、ラストの種明かしを経ても実は氷解しない。
むしろタネが割れたからこそ、疑問の増える場面は増していくのだ。

リピート必須の、スルメ映画と呼べる。

要はラブストーリー

アダムと面談するジョイ

SF面はやや弱く、結局のところその本質はラブストーリーと言って差し支えない。
しかもその結末に関してはやや下世話で、品の無い表現が用いられることからやや肩を落とす方も居るかもしれない。

また純然たる恋物語として本作を見ると、やはり純作品には劣ることは間違いない。
どう逆立ちしようとも、甘く切ないラブロマンスなどとは銘打てないだろうから。


この中途半端とも言える仕様だが、しかし決して恣意的な場当たり脚本には基づいていない。
あらゆる場面は本作にとって必要不可欠であり、それが多少目障りな表現であろうとも変わりはないのだ。

賛否ありそうなエンドロール後の一場面についても、省いてしまえば作中テーマにして伏線でもある「主目的」についてが回収されない。
やや不快で気味の悪いシーンであるものの、全編を語る上で外すことの出来ない、不可避の不幸と呼べるだろう。

評価

新たな切り口&サプライズありの、優良映画



エンターテイメントの本質を見失わず、尚且つ変わったやり口でAIを語った面白味のある一作だった。

★★★★☆
四つ星の優良作。
アンキャニー 不気味の谷(字幕版)
アンキャニー 不気味の谷(字幕版)




以下、考察及びネタバレ注意。






キャッスルの主目的は?

成果報告を受けるキャッスル

作中で大きな意味を持つ、「主目的
キャッスルは登場人物の中で唯一、この主目的が変わらなかった人物でもある。

では彼の目論見はどこにあったのか?
少ない会話部から考察しよう。

データ集積

作中ラストシーンにて、本当のアダム(以下、真アダム)から取り出した謎の物体。
本当のデビッド(以下、真デビッド)が言うには、

衝撃は受けましたが データの大半は無事です



とある。

よってこれがブラックボックスであると推察されるだろう。

  • ブラックボックスとは?
一般定義で言うと、「内部構造が不明でも、それを扱えるもの」を指す。
パソコンやスマホ、冷蔵庫に電子レンジなど現代の生活の大半はこれにあたる。

しかしここで定義するブラックボックスは主に航空機や自動車に搭載される、フライトレコーダー、或いはイベントロガーを示す。
これには航行の全行程において機体がどのような挙動をしたか、あらゆるデータが保存される箱になる。

作中で言うと、7日間で真アダムが行った全行動だ。



つまりキャッスルの主目的のひとつは、ジョイとの交流を経て真アダムに生まれるデータを集積することだったのは明白だ。

被験者4号

真実を告げられるジョイ

AI側のデータを集積しても、話はそれで終わらない。
なぜなら相手があって初めて成立する実験過程において、両者へのインタビューは必須だ。

よってジョイには恋愛の全過程、特に最重要視されたのは性交中の違和感。
これらを正しく聴取する必要があった。

ただしこれら結果を、ジョイがまともに受け答えしないのも予想はされる。
その場合でも7日目終了段階で彼女に疑念が生まれた様子がないことを確認出来た場合、これをもって実験の成功としたのであろう。

実験のテーマは何か?

真デビッドとの交流以外で生まれるデータを欲していたことから考えると、ジョイが異性であったことに大きな意味合いが含まれると思われる。

なのでこの第二次実験のテーマは、

AIと人間の女性が恋愛可能か?
恋愛過程において、正体は露見しないか?



以上になる。

最終的な目論見は?

NSAに報告するキャッスル

デビッドの作成するアンドロイドは、一般家庭や工業用のロボット向けではない。
「フォードよりもゴッホ」と作中で語るように、流通は見越していないのだ。

作中ではNSA(アメリカ国家安全保障局)からの連絡があり、キャッスル社との提携を匂わせている。
NSAの年間予算は約108億ドル(約1兆800億円) もある。
つまりアンドロイドの一般流通などせずとも、彼らからの資金援助がある限り、永遠にキャッスル社は安泰である。

ここで明らかなのはキャッスルは真アダムをプロトタイプとし、国家安全保障のためにアンドロイドをNSAに売ることだ。

NSAの狙いは?

一般的なイメージだと盗聴や情報収集がメインのNSAだが、実際にはもっと多岐に渡る任務を旨としている。
あらゆる電子機器を用いた作戦にはNSAが関与するとされ、その権限は途方もない。
大統領ですらアクセス出来ない情報を取り扱うという噂すらあるのだ。


さて作中でのNSAの狙いとして、間違いなくスパイ育成が挙がる。
作中で行われていた色恋沙汰は、明らかに他国情報官やゲリラ相手を想定しているのだ。

現実でも主にCIAは、ターゲットへ異性をあてがうことで情報の引き出しに優位性を見出している。いわば現代のくノ一だ。
これは男性女性問わず同じで、たまたま作中のターゲット選択が女性のジョイだったというだけになる。


つまり第二段階実験成功にてNSAが得た戦果とは、

スパイ活動において、アンドロイドはターゲットに色仕掛けを迫れる



このような結果だ。

第三段階でどのような実験が行われるかは窺い知ることは出来ないが、テーマとしてスパイ活動がある以上、それに則した内容であることは間違いない。

ジョイの主目的は?

事実を知らないジョイ

インタビューを許された記者という体で、実態はアンドロイド相手の被験者であったジョイ。
ロボット工学に聡いという理由で駆り出された彼女だったが、あらゆるリサーチにより被験対象として最適であったことが最大の理由になる。

彼女の主目的はさまざまに動かされた。

取材

当初は当然ながら、デビッドへのインタビューが目的である。

またアダムの出来映えに驚き、その成長過程に手を貸すことも承諾したことになる。

論文

かつての経歴を刺激され、自らが生産者側になりたいという欲求を掻き立てられた。

この時点で既にインタビューは体を為していないことが窺える。
彼女の主目的は、取材からモノ作りへと移行したのだ。

デビッドと恋に落ちたジョイ。
あらゆる要素が計算されていたなどとは、夢にも思わなかっただろう。

こうして仕事に生きるという主目的から、愛に生きる者へと変わっていった。

真アダムの主目的は?

目的を見失いつつある真アダム

真アダムもまた、主目的を履き違えた。

一見して全てがプログラム済みの予定調和にも映るが、それでは実験の意味を為さない。
つまり大部分の彼の行動は自発的なものであり、そこに真デビッドの意思は介入していないと見ていいだろう。
彼が自身をアンドロイドであると自覚した上でジョイと接していたかは最大の疑問点にも思えるが、実験という背景からこの説はほぼ否定される。


唯一真デビッドが手を加えたのは、真アダムに対して、「自分がデビッドである」という思い違いを植え付けることだ。
その状態で7年間も生活していたのだから、真デビッドの労力は計り知れない。

アンドロイドの成功を示す

自らがデビッドであるという誤認をしたままの真アダムは、ジョイの取材とアダムの実験を並行して進めることに。

その根底には、「世間に対して、アンドロイドの自由性を示す」というものがあった。
これはデビッドとアダムに共通した理念になる。

ジョイへの愛

日課のチェス

二日目の時点で、真アダムは早くも主目的の方向性を変え始めている。
上記チェスの場面で真アダムは、キングを取るという主目的の中で、6手を割き真デビッドを嘲笑する手段を取った。
これは明らかにジョイに対して優位性を示す行動であり、AIの自発性が発現した瞬間でもある。


以降、どんどん真アダムはジョイに傾注していく。

真デビッドの主目的は?

不穏な表情を見せる真デビッド

作中で不明瞭な面を残したのは真デビッドだ。
彼について考察していこう。

アンドロイドに成りきる

AIが自由性を確立することを世界に公表したい気持ちは、真アダムと同じである。
というよりそもそも、その発想を植え付けたのは真デビッド本人なので同じというにはやや語弊がある。

ともかく今から7年前、完成した真アダムに自身の過去をコピー&ペーストし、自らは生まれたてのアンドロイドを演じた。
全てはジョイとの実験のためだけに。

ジョイを誘導

怪訝な顔をするジョイ

実験中に、ジョイの主目的を誘導する。
取材という大義から、自己実現への道筋を示してみせた。

これには真アダムからの「サプライズ」を引き出す展開を期待した、いわば読み通りのシナリオに向けた布石だった。

目玉の贈り物

部屋の盗撮を行った目玉型のデバイスだが、キャッスルはこの事実を容認済みだった。

よってこれは緊急時に守秘義務違反を匂わせるための撒き餌であり、好意や私欲といった個人的感情からは無縁の罠だ。

ただし盗撮を行う必要性は皆無なので、この部分に真デビッドの心情が見え隠れしている。

チェスランク

チェスデータをインプットされる真アダム

ラストシーンで見られるこの光景だが、意味するものは、

「真デビッドによる、チェスランクの更新、改竄作業」

これはつまり作中で毎朝行われたチェスにより、真アダムに成長の兆しが一切無かったことを指す。

一般的にAIは同作業を繰り返す内に効率化を極められるとされる中で、この描写は真逆を描いていることになる。

またチェス自体が主目的のためのツールのひとつであり、真アダムを誘導するためのワンアクションでしかないことも示唆した。

主目的:クイーン

陰から覗く真デビッド

実験はつつがなく進行しているが、真デビッドの中にある感情が生まれた。

  • 彼女は僕を嫌っている
  • 彼女に好かれたい



こうしたジョイ帰宅後の会話は、実験には必要の無いものだ。
ということはこの部分に、真デビッドの本当の思惑が現れていると言っていいだろう。

彼もまた、主目的を履き違えたひとりだ。

ジョイに愛されたい



種の保存

人口ペニスを解説する真デビッド

人口ペニスを装着した真アダムとの性交を経て、妊娠が発覚したジョイ。

これは明らかに本物の精子が仕込まれていたことを示唆しており、その持ち主は真デビッド以外に居ない。
よって主目的をクイーン=ジョイとした真デビッドの最終的な目論見が、愛の至上形態でもある懐妊へとシフトしたことが窺える。


あらゆる過程をすっ飛ばし、ジョイとの子をもうけた真デビッド。
家族が集う未来は迎えないだろう。

「不気味の谷」というタイトルの回収

原題は「Uncanny」、邦題はそこに「不気味の谷」が足される。
英語では「Uncanny valley」であるため、双方に違いは無い。


さてこのタイトルだが、作中では一度用いられたものの、およそ回収される場面が無かった。
しかし明らかに何かを意識されていることは確かであり、そこに物語を読み解くヒントが更に隠されているような予感はする。

ではまず、wiki出典の図を見てみよう。

不気味の谷の図式



  • 不気味の谷現象とは
原始的なロボットを左端として、人間に最も近い姿を右端とする。
ロボットの類似度が上がれば上がるほど人間側の「可愛い」「好き」といったプラスの感情は比例していく。

ところがある一点に差しかかると、それまでプラスだった感情が一気に急落する。
「気持ち悪い」「嫌い」といったマイナス感情、つまりは原始的ロボットよりも低い感情を抱くまでに至るのだ。

しかしまたある一点を超えると、今度は急激なV字回復を見せる。
このV字になった谷間の部分を指して、「不気味の谷」と呼ぶ。



これを作中に当てはめると、奇妙なことになる。

なぜならば視聴者がラストシーンまでデビッドと思わされていた人物は、実際にはロボット(真アダム)だったからだ。
このミスリードを加味すれば、真アダムは限りなく人間に近い存在。グラフでいうところの、右端の位置。
つまり、「不気味の谷」はとっくに超越した容姿、居振る舞いなのだ。

よって作中に示されたワードの回収に、真アダムは適さないことが証明される。


では本作、いったいなにを指して不気味の谷、としたのだろうか?

真デビッドに当てはめる

真アダムでなければ、残りはもう一方。そう、真デビッドだ。

いやいや、彼は人間でしょう。
不気味の谷現象は、ロボットのためのものだよ。



このような意見もあるだろう。

では逆説でこれを導くために、まず真デビッドのイメージ、印象をおさらいしよう。
なおここでは、ジョイ向けや実験のため演技だったとしても、全てのシーンで感じたままを洗い出す。

  • 研究室にこもりきり
  • 好意を上手く伝えられない
  • 会話がときおり、ちぐはぐになる
  • 盗撮を行う気味の悪い性癖
  • ラストシーンにおける、最低の独白



徐々に降下しているのが分かる。
この降下線、見覚えはないだろうか?

では上記から、先の図で真デビッドの位置を示そう。

不気味の谷を作中に当てはめた図



彼に対する感情は明らかにマイナスなので、不気味の谷に位置することとなるだろう。


さてこの図の使い方のおさらいだが、

ロボットへの感情的反応を、左から右へ見る



これが常道だ。

しかしこれを、人間に当てはめて見る場合、どちら側から見るのか?
人間に限りなく近い人間自身ならば、当然グラフの右端に位置する。

ならば必然、「人間から見た人間への感情的反応は、グラフ右から始まる」だろう。
つまり、こういうことになる。

不気味の谷を右から辿る本作の性質



これら仮説から導かれる解は、いったいなんだろうか。

AIの物語ではなかった

結論として、

AIがグラフを右に辿る物語ではなく、人間がグラフを左に辿る物語



このようになる。

一見してAIストーリーだったはずが、それはミスリードによって打ち砕かれた。
ならばコンセプトもそのまま真逆になるはずだ。

  • 不気味な人間はロボットと見分けがつかない
  • 人間味を失うと、与える印象はロボット化する



恐らくこの手のメッセージやテーマが裏に秘められていると感じる。

終わりに

割と濃い目のメッセージが隠されており、読み解くのもなかなか面白い。

アンキャニー 不気味の谷(字幕版)
アンキャニー 不気味の谷(字幕版)

コメント

  1. 匿名 より:

    考察を探していて、ここに辿りつきました。

    2回目見てみて、
    主人公の理想を真アダムに反映させているのかな?と思うと、
    主人公のセリフが妙に悲しく聴こえてきますね。

    個人的に、想像を膨らませてしまったのが、人工ペニスを作成、精液注入してる作業場所が、
    キャッスルの監視カメラになさそう?(詳しく確認はしてないですが)なので、実は主人公の反抗というか、一途さなのかも。とか、
    最後、真アダムと見合わせてるところ、もしかして初期化してないんじゃ??とか、
    体制側を巧みに騙していく天才みたいな。そんな想像膨らませてしまいました。

    • レビ雄レビ雄 より:

      人口ペニスに自らの精子を注入した件に関しては、明らかにキャッスルの意図しない行動に思えますね。面倒が増えるだけですから。

      真アダムに関しては、内蔵されたイベントロガーを取り出した時点で一度は初期化されていると思います。しかしその後バックアップから復元した可能性も否定出来ないので、ご指摘の通り初期状態でないことも充分考えられると思われます。

      いずれにせよ真デビッドの主目的は「AIの自由性を示したい」というものではなくなったため、キャッスルの意図した働きを今後見せない可能性が高いと思われます。
      従ってこの後に控えた第三段階の実験では造反が起きる、かもですね。