【映画】フェーズ6/自分のためなら他人は犠牲【ネタバレ:レビュー】

スリラー

致死性ウィルスの蔓延した世界を生き延びるサバイバル映画、Carriersをレビュー及び 評価、感想、解説。

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あらすじ

荒野を走る一台のセダン。同乗する四人の男女は、あるルールを胸に一路、メキシコへと向かっていた。

ルール1.感染者には近寄らない。空気感染のおそれがある。
ルール2.感染者が24時間以内に触った物は消毒する。
ルール3.感染者は死人も同然。助けようと思うな。


ルールを破れば死、守れば生。単純明快だ。


彼らの行く手を阻むように、一台の乗用車が道路を塞いでいる。車内には幼い子供、そして近寄る父親。

決断は常に迅速であるべし。

終末世界

誰も居ない交差点

周知の通りのインフェクションパニック映画であり、作中では感染爆発の初期段階ではなく、伝染が起きてからしばらく経った時間軸で語られる。

概ねの人類は既にウィルス汚染により死亡しており、街に人の姿は無い。また仮に人の姿を見かけてもキャリア(保菌者)である可能性の高いこの世界で、迂闊なコンタクトは身を滅ぼすだろう。

数少ない生き残りが、それでも互いを疑心暗鬼で信じられない部分が特徴的と言えるだろう。
ゾンビ作品とは異なり、明確な感染者がひと目で見分け辛いのがその背景として存在している。


また世紀末観のある作品ではお決まりの、支配的な人間たちも登場する。
彼らは機能を失った政府に成り代わり、暴力をもって他の人間を従わせ、或いは殺す。
おぞましい人間の本質を垣間見ることが出来るだろう。

一般人

隔離室に入った医者と子供ら

ダニーらはウィルス汚染された世界で右往左往するだけの一般人であり、「ただ生きる」以上の使命など持たない。
World War Zのように無毒化ワクチンを散布することも、アウトブレイクのように血清を開発することも出来ない。
彼らの誰もがやがて来る死を背中に感じており、それが個々で早いか遅いかの違いのみだ。


映画としては、ひたすら一見無目的な旅路を往く彼らに、絶望と悲壮以外の感情を感じられない。
多くのインフェクション映画では絶望のさなかでほんの僅かに輝く希望に縋りつくものだが、本作では釈迦の垂らす蜘蛛の糸は存在しない。

実に明確なコンセプトで制作されていることは窺えるが、ストーリーの起伏という一点に於いては弱さを感じた。

救済は無い

親子を見捨てる瞬間

自己犠牲を見せる登場人物はひとりとして存在しない。あらゆる者はどんな手を使ってでも生き残りたいと願い、それを許さない者も同じく。

救いの無さという点では、この映画はかなりのレベルを誇る。旅路の中で失われていく数々の命には、かなり胸が悪くなるようなシーンも含まれている。

これらシーンで表現したい思いに関して、汲み取れるものは何もなかった。単純なエンターテイメントとしてもかなり気の滅入るシナリオであることに疑いはないので、陰鬱な空気感を好まない方には視聴を勧められない。

評価

教訓や比喩、テーマなどの太い軸が見えないことから、シナリオの浅さも感じる。

陰鬱な感染映画を好む層にはお勧めの作品だろう。

★★★☆☆
三ツ星の良作。
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致死率100%、治療不能のウイルスが蔓延した世界。 街はゴーストタウンと化し、わずかに生き残った人たちは、感染を恐れ他人との接触を断っている。そんな中、感染を免れたお調子者で粗暴な兄ブライアンと、真面目で心優しい弟ダニーの兄弟は、兄の恋人ボビーと、弟が想いを寄せる女友達ケイトを連れ、感染者がいないであろう、幼い頃の思い...

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