【映画】ザ・アウトロー/ミリヲタ歓喜。軍人vs重大犯罪班【ネタバレ:レビュー】

アクション

完璧な銀行強盗計画と、それを追う警官の闘いを描くアクション映画、Den of Thievesをレビュー及び評価、感想、解説。

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あらすじ

現金輸送車強奪事件。
ドーナツショップ前で行われた夜間の犯行により、武装強盗側に一名、警官側に多数の死傷者を生み出した。
応戦空しく、輸送車は夜の闇に消えていった。

事件の捜査にあたるのは、ニック率いる重大犯罪班。およそ警察官とは思えぬ風貌の者らが集う、自称”悪党”たちだ。

不可解なことに書類上、襲われた輸送車には札束は積まれておらず、空のままだった。
しかし単純な手違いで起こした事件にしては計画性が高く、ニックはこの事件は手始めの、準備段階に過ぎないことを見抜いていた。


何を隠そう、武装強盗のリーダー、メリーメンの真の狙いは連邦準備銀行。
国中のカネが集うと言って過言でない、最強の要塞からの強奪計画であった。

ガンヲタ歓喜

重装備で迎え撃つ武装集団

本作の強盗団は、素人に毛の生えたギャングではない。海兵隊で訓練を受けた、正真正銘の軍人上がり。

よって扱う銃器も、

  • アサルトライフル
  • カービン
  • LMG
  • SMG



揃いも揃って、玄人志向だ。

射撃方法の演技指導もさることながら、クライマックスシーンでの小隊コンバットも練度を見せつける。
ミリヲタの心を鷲掴みにする趣向が、あちこちで凝らされているのを目撃するだろう。


もちろん相対する重大犯罪班も、負けてはいない。
こちらは国家権力なので、FN SCARやM4などのアメリカ人用銃器がメイン。

来たる最終決戦では、訓練された兵士同士の存分に撃ち合う姿を見ることが出来るだろう。

削ぎ落とし過ぎた諸々

親戚宅でもめ事を起こすニック

アクション部分に関しては文句無いつくりなのだが、それ以外の部分で気になる要素が多い。

特にサイドストーリーだ。

昨今の映画はオンリーワンの要素だけで二時間押し切るのが難しく、合間に様々な要素を混ぜ込むことを求められる。
人間ドラマしかり、副次的テーマしかり。

本作でも一応、

情報のためにストリッパーと寝たら、妻に離婚届出される
強面の裏側に見せる、家族思いの一面



こういったものが描かれてはいる。

後者の部分は武装強盗側のエピソードとしても用いられ、互いに人間性を失ったケダモノでないという示唆とは思われる。


しかし別段、これらが作中で大なり小なりの役割を果たしたかと問われれば、歯切れの悪い返答を搾り出すしかないと思う。
なんとか振り絞って上映時間の中に放り込んでみたはいいものの、大筋とは歯車が別個に噛みあった、浮いたサブストーリーにしか見えない。

これには主要な人物の背景構築が甘かったことが起因する。
もっと強盗画策の場面を割いてでも、各々の人物像を描くことを選ぶべきだったように思えて仕方ない。

或いは振り切って、完全に彼らをケダモノとして配置するのもアリだろう。
人間性を失ったマシーン同士の凄惨な戦闘を割り切って描いてしまえば、案外”古くて新しい”結果が伴ったかもしれない。

悪党になりきれない警官たち

容疑者にヘッドロックをかけるニック

自称:悪党の重大犯罪班。捕らえた強盗の下っ端を痛めつけるところから、まるで「トレーニング・デイ」のような悪魔的警察官の姿を予想した方も多いのではないか。

件の作品では容赦なくプッシャーを殺害し、隠し財産をピンハネするという暴挙があった。
最終的なアロンゾのくだりには賛否あったが、それでも汚職警官の登場する作品というと、パイオニアと言っていい存在感を獲得した。


しかし本作の”悪党”たちには、口で言うほどの行動力が見られない。

常軌を逸した捜査方法も、被疑者への過剰な暴力も無い。
バッド・ガイを自称するなら各方面に忖度などせずに、無茶苦茶な暴力や迷惑行為を振り撒くべきだ。
正味なところ、タトゥーの入ったワルめの中年がイキり倒しているようにしか見えない。

この部分も、サイドストーリーが無為に尽きた原因でもある。卑劣漢ぶりをこれでもかと発揮しない限りは、家庭的な一面など映えるはずもない。

素早く吐かせたいなら、膝を撃て

ジャック・バウアーが怒鳴り込んで来そうなヌルさである。

編集の怠慢

タイヤに大金を詰め込むシーン

最終的な裏切りには、そこそこ納得のシナリオを感じた。
全編通してナメてかかっていた相手に意趣返しを喰らうと、なかなかに強烈なカウンター感が溢れる。

しかしこの部分、もっと魅せる編集は出来なかったのか。

スピード感、爽快感共に不足気味



最終的なネタ明かしならば、盛り上がりのあるBGMと小回りの利いたシーンチェンジは必須。
だらだらと鈍い繋ぎにすればするほど、視聴者に考える時間を与えすぎる。
思わず巻き戻して観たくなるくらい、ハイテンポな場面転換がちょうどいいのだ。

この遅延はラストシーンだけでなく全体的に見られ、物語のパッションを低下させる働きをした。緩急をイメージした編集を行っていないので、どうもかったるい展開が多い。

これは編集の怠慢であり、客観的に作品を観れなかった罪でもある。
もっと多くのヒット作を参考にする謙虚さが必要だっただろう。

評価

ミリヲタは必見。アクション映画としては平均点。



そこそこのスリルは含まれているので、アクション好きにはリフレッシュ程度の機会にはなるだろう。

★★☆☆☆
二つ星。
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48分に1回銀行強盗が発生するといわれるロサンゼルス。ロサンゼルス郡保安局の重犯罪班を率いるニック・オブライエン(ジェラルド・バトラー)は多発する銀行強盗に日々立ち向かっていた。そんなある時、伝説の強盗と呼ばれるレイ・メリーメン(パブロ・シュレイバー)の一味が3000万ドルの銀行強盗を企てているとの情報が舞い込む。氷の...

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