【映画】ハウンター/DVおじさん量産悪魔【ネタバレ:レビュー】

ホラー

タイムリープ + 恐怖演出のSFホラー映画、Haunterをレビュー及び評価、感想、解説。

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あらすじ

16歳の誕生日前日を何度も繰り返しているリサ。
既に見飽きた光景に辟易とした彼女だが、一向に次の日の朝日を拝むことはかなわない。

何度目かのループで、リサは奇妙な声を聞く。自分の名前を誰かが呼んでいるのだ。
それはやがて実体を現し、寝室や屋根裏など、至る場所でリサを追い始める。

そして不気味な霊の出現と同時に、見慣れたはずのループに変化が起き始め……。

演出全般

パックマンのプレイ画面

ループを扱う作品というと、大抵が冒頭で2~3ループを要し、その後に対象者が時間遡行に気付くことが多い。
やや冗長なこれらは序盤のテンポを損なうこともあり、扱い方次第ではスクリーンから心を離す原因にもなる。

が、本作はそこを敢えてカット。リサが既にループを掌握している場面から開始される。
こういった配慮は有り難い。延々と異変に気付かない主人公を観させられるのは、いつだって苛立ちの要因だ。
中盤以降も概ねダレることなく、ラストまで同じペースで走り切った感はある。

怖さはそこそこ

ループにホラーが付与されたタイプの作品であるため、要所でホラーパートが訪れることになる。
が、この部分は純ホラーに比べれば、正直見劣りする。
水平移動のガイコツ顔が迫って来るタイプの、よく見るアレ。


設定的にゴーストの存在は必携であるものの、意図して恐怖パートを描く必要があったのか疑問に感じる。
特にエドガー以外の霊体は害意を持っていないはずなので、序盤でリサを脅かす場面には整合性が見られない。

間延びしないように含めたホラーパートだったが、出来映えがイマイチなために蛇足感を拭えない結果になった。

ネタバレ早くない?

サングラス越しに映る幽霊
実は家族全員、殺されてました!
幽霊になった私は現代の少女オリヴィアとリンクして、殺人鬼エドガーをやっつけます!



この事実を前半でブチ込まれる。
また特に感慨もなく、リサは自然にこれを受け入れた。もうちょっと疑いとか、無い?

およそラストのタネ明かしに匹敵するようなエースカードを、なぜ開始30分で切ってしまったのか。またどうしても切るならば、もう少しそこへの葛藤や疑心暗鬼を見せるべきだろう。

またエースカードの早期使用は、匹敵するジョーカーの温存を必然期待させる。
もっと驚くような真実があるに違いない、と。

だが作中にこれ以上の秘密は無く、この後はひたすらエドガーとの対決姿勢を描くのみ。
エンディングで示唆されるようなシークレットは見られなかった。

行間で語るべき

実は幽霊

なんてのは古今東西でやりつくされたトリックだが、今さらそこに忌憚することはない。

明かすタネが被らないようになんて考えたら、もう残りは「実はエイリアン」「実はアメーバ」「実は戸棚の妖精」ぐらいしか使えなくなる。


要は見せ方であり、その点を本作は大きく損ねた。
どう考えても「一家全員が幽霊」という事実は最終局面まで残すべきファクターに違いなく、なんなら明言無しで終わって欲しかったとさえ思う。

伏線を撒いて謎を残せば、観客に自発的思考を促すチャンスになる。
あっけからんと何もかもをブチまけると、中身の薄いCMのようにあっという間に忘れ去られるだろうから。

ラストシーンに不満

父と別れ、闘いに赴く娘

筆者はバッドエンド愛好家であるが、ハッピーエンドを否定しているつもりはない。
場合によっては幸せな結末が最良と思われることもあり、そこを意地悪くつつき回すことはしても、存在そのものを拒絶したりはしたくない。


が、唯一否定したくなるもの。それはご都合主義エンドだ。

家族との別離を決意し、エドガーとの対決姿勢を貫いたリサ。
オリヴィア一家を救うために現代へ遡行し、全ての彷徨える霊たちと殺人鬼の悪霊を撃退した。

ここまではとても良い。立ち向かう高潔さと、団結する弱者たちの怒り。
悪の権化を打ち負かし、リサの願いは果たされた。
オリヴィア一家も救われ、非の打ち所がない結末だ。

目覚めるとロビーの声。
再びループに陥ったかと思いきや、16歳の誕生日を迎えた天国がリサを待っていたのだ。

これがどうもしっくり来ない。

なぜなら自己犠牲を賭し、家族と別れを決意した画像のシーンを丸ごと唾棄しているに近いものを感じるからだろう。
悲壮な決意で閉じたそのドア。そこに含まれた高潔な意思を、全部ご破算にしているに等しい。

どうしてもハッピーに終わりたい!
脚本家がこうした意図を持っているのは理解出来るが、やるならもっと控えめにしてもらいたい。
無線の声を使えば、なんとなく解釈が可能な範囲に留めることは可能だろう。

説明過多

あらゆる不満点に共通するのが、説明過多による弊害になる。
ライトユーザーが道に迷わないように道標を示しているつもりだろうが、ここまでいくと乳母車に近い。
抱っこにおんぶで山岳を踏破しても、得るものはちょっとした旨い空気ぐらいだ。

もっと突き放した手法でも充分ユーザーはついていける。
子供向け枠を専攻しているなら別だが、大人世代へも訴求性を広げたいなら、説明過多は余分で不要なファクターになる。

評価

雰囲気は良かったのに終わってみれば凡タイムリープ作品



悪くはないものの、時間遡行のジャンルで上位とは言い難い。

★★★☆☆
三ツ星の良作。
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霧の深いある朝、リサは奇妙なことに気づく。朝から昨日と同じ事の繰り返しなのだ。そして彼女は、自分が16歳の誕生日の前日を毎日繰り返し過ごしていることに気が付く。しかし、庭の外に出ようにも、なぜか外に出られない。一体何が起きているのか?彼女が家中を調べ始めると、その家に住む“もう一人の少女”の存在に気が付き、ある驚愕の真...

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